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推定カップサイズの測定はこちらのサイトを参考にしています(あくまで推定であることを念頭に置いてください。) シングルクォーテーションはA.AA.AAAをソートで正しく表示するための足掻きです トレーナー 年齢 身長 B W H 推定Cup タイトレ 25 140 90 55 80 H テイトレ 26 152 82 57 81 D ルドトレ(魔性) 28 163 95 60 88 H ルドトレ(黒) 27 145 75 59 70 A ルドトレ(獅) 29 190 122 72 125 M グラトレ(独占力) 23 155 77 55 85 B グラトレ(卒倒) 26 154 80 58 82 C フクトレ 29 158 82 59 81 C ブラトレ 23 150 79 56 80 C フラトレ 2× 165 78 54 80 B マルトレ 26 150 75 48 76 D ライトレ 27 175 83 58 88 C スズトレ(相棒) 28 168 81 58 89 B スズトレ(妹) 25 158 71 53 79 'AA グルトレ 25 160 90 55 92 G デジトレ 26 158 79 59 80 A オグトレ 28 158 75 55 89 A カレトレ ? 151 80 54 77 D タキトレ 26 162 84 54 82 E マクトレ 29 159 81 59 81 B ロブトレ 24 139 88 55 76 H カフェトレ(ケツ) 25 162 70 55 87 ''AAA カフェトレ(タバコ) 27 168 75 51 76 B カフェトレ(義) 23 165 83 64 86 A ネイトレ 23 178 93 68 94 C オペトレ 38 156 77 55 75 B セイトレ 23 147 75 49 78 D セイトレ(造花) 2x 175 92 65 95 D ドトトレ 23 165 92 60 89 F クリトレ(小) 24 147 82 51 78 F クリトレ(眼鏡) 24 160 87 58 94 E スペトレ 22 160 85 58 85 D バクトレ 29 161 88 61 88 E マベトレ 24 138 83 50 73 G シチトレ 26 165 75 55 78 A ヘリトレ 88 168 94 65 96 F ヘリサブトレ 23 150 87 55 82 G ブルトレ 25 139 72 49 70 C ファイトレ(女) ? 170 91 58 86 F ファイトレ(男) 24 157 77 57 82 B ウオトレ(202) 26 202 107 83 110 C ウオトレ(親父) 26 166 80 55 82 C ウオトレ(V) 2× 164 92 60 94 F ウオトレ(女) 22 170 84 61 82 B フジトレ 33 156 86 56 82 F ドベトレ 22 170 88 58 84 E ゴルトレ ? 175 97 68 98 E シャカトレ 26 140 84 54 78 F キングトレ 2× 140 86 58 85 F タマトレ(大) 31 172 81 60 74 A タマトレ(小) 21 132 60 52 73 '''AAA未満 タマトレ(黒) 2× 140 71 52 73 B タマトレ(猫) 24 166 97 62 99 H ダストレ 23 158 78 58 80 B ハヤトレ 25 156 83 55 80 E キタトレ ? 178 101 60 93 I サトトレ ? 143 71 50 69 B リャイトレ 25 158 77 57 81 B アルトレ 26 186 98 67 90 E チヨトレ 26 156 85 57 89 E ヒシトレ 23 150 82 54 79 E ベガトレ 26 157 84 56 83 E マーチトレ 26 164 80 55 80 C スイトレ 38 164 106 79 98 F エルトレ 27 148 76 55 82 B ムントレ 2x 175 90 65 90 C リウトレ 22 142 95 52 90 K ヤエトレ 27 176 85 62 90 B ファルトレ(過激) 22 154 84 53 79 F ファルトレ(蒼) 25 162 71 53 77 'AA チケトレ 24 172 81 56 81 C ジョートレ 20前半 180.5 90 69 95 B ジョトレ(女) 24 168 94 65 96 F ニシトレ 45 171 91 62 89 E タボトレ(赤) 24 149 70 53 76 'AA タボトレ(アニキ) 25 141 88 56 78 G タイキトレ 26 174 93 61 91 F パルトレ 22 162 88 56 93 F シントレ 23 162 87 63 91 D フェストレ 51 161 85 57 83 E プリトレ 25 166 80 58 88 B イクトレ 46 90 49 45 54 '''AAA未満 バントレ 29 172 89 66 87 C イナリトレ(痣) 35 183 92 66 94 C イナリトレ(画) 25 181 88 68 88 A ビコトレ 45 139 64 46 70 A フウトレ 33 182 105 68 99 H シビトレ 23 164 94 55 84 I メブトレ 2× 152 ? ? ? ? メブトレ(黒) 26 130 64 48 72 A ロレトレ 24 128 67 46 69 B リストレ 23 135 99 55 99 L アストレ 21 152 86 50 86 H マートレ 40 141 72 50 74 C ゼファトレ 27 163 89 60 93 E ツルトレ 23 ? ? ? ? ? ユニトレ 24 146 80 53 78 E タプトレ 22 150 110 67 110 L エーストレ 23 164 80 55 79 C コパトレ 2x 151 82 56 83 D タルトレ 23 153 87 54 81 G ウララトレ ? 156 74 51 73 B ルドトレ(成長前) 28 163 88 60 88 E マルトレ(未来) 2x 150 79 56 84 C スズトレ(相棒)(アサヒ) 28 168 86 58 95 D 新人ちゃん 2× 150 70 55 80 AA 教官ちゃん 58 145 80 55 80 D ボノトレ ? ? ? ? ? ? マヤトレ ? ? ? ? ? ? 参考資料
https://w.atwiki.jp/sinwabisabi/pages/32.html
名称 Reacton(リアクトン) 種族 ボム族 トリガー 骸炭 ●● ボム族「リアクトン」の好物。 エリア ハルブーン 座標 最初のマップのH-6 段差の上「辺りに燃え滓が落ちている……。」 耐性 スリプル:? ララバイ:? バインド:?、影縫い:? グラビデ:? サイレス:× スタン: × アイテム 備考 リアクトンの灰 ●● Sanrakuにトレードでだいじなもの 東雲の割符を獲得 リアクトンのうで ●● 【投てき】攻+10 微塵がくれ効果アップ Lv70~ 忍 マジックストラップ ●● 【グリップ】MP+23 詠唱中断率5%ダウン Lv69~ All Jobs 座標は上記の通りだが、実際は段差があって最初のマップからは行けないので、かなり困難である。 白門>アルザダール海底遺跡群(ゼオルム遺構のマップ)>バフラウ段丘(タンジャナ島)F-5>ハルブーン>ゼオルムE-9> ハルブーンK-9マップ切り替え>最初のマップのH-6となる。 後半のハルブーンは道中トロールが見破りのため危険、且つ、5人扉と6人扉を超える必要がある。 敵の使用WS ヒートウェーブ(バーン、40HP/3secスリップ) 極熱衡(空蝉貫通500~700ダメージ 単体) ヘルストーム(前方範囲600~800ダメージ) 序盤はファイガ、ファイア3などの比較的弱い炎系魔法使用 後半ファイガ3、フレア2など高位魔法を使用 魔法スタン、WSスタンともに× HP残り少なくなった時点で自爆して終わる(発動瞬時 範囲1000ダメージ以上)
https://w.atwiki.jp/ucchy/pages/195.html
初めましてです^^うっちぃ☆さんのブログこっそり見ている私です>< -- ミストラル (2007-10-30 13 43 32) バニー書きました~><下手ですみません; -- ミストラル (2007-10-30 13 44 21) ミストラルさんこんにちは~! かわいいバニーですね!ありがとう~ ブログは -- うっちぃ☆ (2007-11-19 01 58 02) 更新をサボっててごめんなさいね^^; うっちぃ☆もこんなにうまく絵を書けたら、絵を更新ネタにできるのになぁ・・・www -- うっちぃ☆ (2007-11-19 01 58 39) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/alicecode12/pages/883.html
アクトメイド スペック表 正式名称 アクトメイド 種別 メイド型機動兵器 所属 『ヤナギカゲ重工』 全高 1.5~1.8m 全幅 0.4~0.5m 重量 60~90kg 動力系 ヤナギカゲモーターズ製小型エンジン・RatIV、金属フレーム 装甲 特殊人工樹脂+対銃撃金属内部装甲+衝撃緩衝ジェル内臓胸部装甲 最高速度 時速35km/h 武装 左腕部:内臓式レーザーブレード、右腕部:内臓式マシンガン 乗員人数 0人 その他 メイド服のカラーリング:黒 解説 人型探索兵器『ホミノイド』の発展系。特殊人工樹脂で人の肌を再現し、極限まで人間に近付けたメイド型機動兵器。 『兵器作るなら美少女メカ作れよ。『島国』だろ?』 『ホミノイド』を発表した際に飛んできた野次馬のこの一言に『やってやろうじゃねえかこの野郎!!』とジン=ヤナギカゲがキレた結果産まれたものである。 極限まで姿形を人間に近付け、フレームの動作も滑らかに調整。会話用AIも搭載しているため欺瞞機能は一級品であり、怪しまれずに標的に接近、両腕部に内臓された武器で暗殺が可能となっている。 また、事前に『ヤナギカゲ重工』にリクエストを送付すればその通りにカスタムしてくれるサービス付き。 デフォルトでは一時期SNS上を賑わせた『伝説のメイド』をモデルとしている。 なお種別は兵器だが、当然と言うべきかその目的での購入者は非常に少なく、愛玩用としての購入が9割を占めている状況である。
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コスプレされてるうっちぃサンw(ぇ)食べるな危険っw -- nana (2008-02-26 18 43 10) しかも毒って字違うね( -- nana (2008-02-26 18 45 28) うっちぃ☆さん、なにやってんすかwwww でもかわいいっ>< -- うっちぃ☆ (2008-03-07 01 20 28) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/140905580/pages/68.html
タグ一覧 タマトレ タマトレ(小) タマトレ(猫) タマトレ(黒) パチタマ 目次 概念1基本情報 【備考】 SS 概念2基本情報 【概要】 【TSの簡単な経緯】 SS 概念3基本情報 SS 概念4基本情報 【概要】詳細 性格 タマモとの関係ウチとトレーナー 【エミュ】呼称/口調 行動 【他トレーナーとの関わり】 SSまとめ作成者によるもの 書いて頂いたもの 【担当】 概念1 基本情報 略称案 タマトレ 【担当】タマモクロス 【身長】175→172 【スリーサイズ】90-54-80 【髪の色】灰色 【髪型】肩ぐらいのポニテ 【瞳の色】赤 【年齢】31 【一人称】俺 二人称 年下は呼び捨て、年上はさん付け、女性は基本的にさん 趣味 ゲーム、賭事、ゲテモノ料理 タマトレ取り扱い説明書 基本的にはノリの良いタイプなので好きに使ってください 料理系のオチ要因やノーブラネタ 頼まれれば何でもやります 【適性】芝C ダートB 短距離C マイルC 中距離B 長距離A IF スカーレットクロス(ScarRed cross) 走者としてトゥインクルシリーズに専念した世界線のステータス 能力的には中の下から下の上程度(C前後)だが時たま鬼神の如き走りを見せる 適正 芝A ダートB 短距離C マイルC 中距離A 長距離A 逃げ F 先行 C 差し A 追い込み A スキル スーパーラッキーセブン スリーセブン 迅速果断 道悪〇 百万馬力 固有 遊タイム 発動時まで一度もトップを取っていないなら一定時間加速力とスピードがランダムに上がる 発動は完全ランダムで最短250mから発動する 溜めが長い程効果が上がる 【備考】 ! 暫定的にスレに挙げられた設定を引用しただけです ≫165二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 21 41 09 【担当】タマモクロス 【身長】175→172 【スリーサイズ】81-67-74 【髪の色】灰色 【髪型】肩ぐらいのポニテ 【瞳の色】傷んだ赤 【年齢】31→17 【一人称】俺、公の場では私 概要 元自衛官 最終階級 陸士長 実家が貧乏なので防衛大学校へ進学 自衛官→騎バ隊→トレセン学園のトレーナー 性格 温厚な性格、トレーニング時は鬼軍曹になる 努力してる人は応援したくなるタイプ 勉強ができるバカ タマモクロスとは年の離れた兄弟のような関係で恋愛感情は一切ない 体躯が小さく、他のウマ娘やトレーナーからボロクソ言われながらも早朝から夜遅くまでトレーニングに打ち込むタマモクロスの姿を見てこの子を輝かせたいと思い専属トレーナーへ志願 初めは上手く行かず、噛み合わなかったが徐々にコツやらを掴んでいき最終的に天皇賞春秋を連覇 ウマ娘化した際は、前任者が山程居たのでそこまで動揺しなかった(流石に直後は動揺してタマモクロスに泣きついたりしたがタマモクロスに鼓舞されて復活) 以前はレース前にナーバスになるタマモクロスを鼓舞していたが最近では逆に鼓舞される事が多くて照れてる ウマ娘になった事で今まで出来なかった事が出来る様になったので今は気に入ってる ノーブラ おれバカだから言うっちまうけどよぉ… part107【TSトレ】 SS 『めんどくさいよね?』 https //bbs.animanch.com/board/77685/?res=41 タマクリコスプレース https //bbs.animanch.com/board/77685/?res=80 サバイバルだよ!!テイマクトレ https //bbs.animanch.com/board/79731/?res=70 ♢虫は栄養満点で美味しいんだ https //bbs.animanch.com/board/79731/?res=113 サバイバル料理……リベンジ!! https //bbs.animanch.com/board/79731/?res=137 第二回トレーナー対抗レース(芝1600右) https //bbs.animanch.com/board/80126/?res=52 ラッコ鍋パロ https //bbs.animanch.com/board/80789/?res=17 食生活 https //bbs.animanch.com/board/228524/?res=79 概念2 基本情報 略称案 タマトレ(小) 【担当】タマモクロス 【身長】132 【スリーサイズ】60-52-73 【毛色】栗毛、尾に芦毛が混じる 【髪型】ベリーショートにニット帽(耳を隠すため) 【瞳の色】今は濁っていてわからない。原因も不明。 【年齢】21 【一人称】私 【概要】 トレセンに勤務する21歳。 ウマ娘関連の専門学校を卒業後、新卒でトレセンに採用された。 両親は小5の時にどちらも死別し、里親である元競走ウマ娘とトレーナーに引き取られた。トレーナーを志したのもこの義父のような人になりたいといった思いから。 現在はタマモクロスのトレーナーをする傍ら、コミュニケーションの練習のために早朝に食堂で歩き回っている。 耳は常に垂れており、ピクリとも動かない。 【TSの簡単な経緯】 トレセン勤務開始から1ヶ月、模擬レースがあった日の帰り道でナンパされる。 模擬レースの事もあり、スルーして帰りたかったがしつこく絡んできた。 無理矢理連れ去られそうになった時にタマに助けられる。 しかし上空から鉄骨が落ちてきて、タマを助けて重傷を負う。 緊急搬送された病院での手術でウマ娘の臓器を移植され、ウマ娘化。 一旦トレセンに復帰したものの、事故のトラウマがフラッシュバック入院。現在はきちんと勤務をしている。 が、その影響で極度のコミュ障となり、 こういった経緯から、知ってはいるものの合った事はないトレーナーがほとんど。と言うか全員。プライベートも好きなものも嫌いなものも一才不明。 自身がタマにやってしまったことを深く後悔しており、贖罪になるならなんでもやると思っている反面、そんなことで許されないとわかっており、それでも彼女を支え、立派にすると決意している。 SS 第1章 事故、邂逅、覚醒 https //bbs.animanch.com/board/217642/?res=9 第2章 復帰、再会、対話 https //bbs.animanch.com/board/217642/?res=45 第3章 契約、日常、予感 https //bbs.animanch.com/board/217642/?res=132 第4章 再開、再会、再會 https //bbs.animanch.com/board/217642/?res=133 第5章 決別、懊悩、別離 https //bbs.animanch.com/board/217961/?res=11 第6章 順応、復帰、四象 https //bbs.animanch.com/board/217961/?res=48 第7章 糸、決別、未来 https //bbs.animanch.com/board/217961/?res=76 こころ https //bbs.animanch.com/board/218288/?res=162 あぶみ本舗のダストレとタマ https //bbs.animanch.com/board/218757/?res=46 お見舞いタマ① https //bbs.animanch.com/board/222167/?res=60 女帝とタマ https //bbs.animanch.com/board/224509/?res=24 DK4組 https //bbs.animanch.com/board/225100/?res=72 チヨトレとクリトレ https //bbs.animanch.com/board/226017/?res=71 タマの朝 https //bbs.animanch.com/board/226017/?res=115 ご飯をちょっとだけ食べたタマトレとタマ https //bbs.animanch.com/board/228524/?res=111 概念3 基本情報 【略称案】黒タマ 【身長】140 【スリーサイズ】71-52-73 【髪の色】青鹿毛 【髪型】タマモと同じ 髪飾りはタマモの色違い(紅白) 【瞳の色】赤 【年齢】20代 【一人称】俺 【因子】タマモクロス 【好物】タマモの作るたこ焼きやお好み焼き 【概要】 タマモクロスのトレーナー。 目が覚めたらなんかタマモの2pカラーになっててたけどもう珍しい事でも無いし生活にも問題なさそうなのであんまり気にしてない。 見た目は黒いタマモクロス(のはず)なのでウィッグ又は髪を染めてカラコンを付けるとタマモになるが関西弁が使えないので話すとバレる。 料理が得意で食べる人の好みなどを徹底的に調べて殆ど食べられないような人でもちゃんと完食出来るような料理を作る事が可能。(栄養学も学んでいる為栄養バランスもいいが大量に作ることはできない) タマモとの漫才のポジションはボケ固定。 ブラは付けてる。胸は盛られない。 「…やっぱりブラは付けた方がいいよな?」 「当たり前や!!!」 「分かりました…タマトレブラ付けます…ところで俺の略称どうすればいいと思う?黒いしダーク・タマトレとかどうかな?」 「メタいしだっさいわ!何やねんその・!」 【担当との関係】 家族。タマモの実家とも仲が良くチビ達にタマモとの漫才を見せている。 タマの健康を第一に考え体作りの為にタマモにご飯を作っている。 SS ウマ娘化 https //bbs.animanch.com/board/238461/?res=107 概念4 更新内容 4/27 勝負服絵追加 外部サイト更新 7/4絵https //privatter.net/i/6764927 🐈更新リンクlog + ... 3/17絵 https //privatter.net/i/6562306 4/23絵 https //privatter.net/i/6628827 5/11絵 https //privatter.net/i/6662159 5/23SS https //privatter.net/p/8869628 7/3絵 https //privatter.net/i/6763902 7/4絵 https //privatter.net/i/6764927 「うちはタマモの、タマモクロスのトレーナーでーす!よろしゅうな!…なんちゃって。えへへ。」 基本情報 【略称案】タマトレ(猫)/🐈 【身長】166㎝ 【スリーサイズ】97-62-99 【髪の色】鹿毛(赤茶) 【瞳の色】金眼 【年齢】24 【1人称】うち 【因子】パーソロン、オルフェーヴル 【声のイメージ】瀬戸麻沙美(某術師オペレーターのイメージ) + ... 【容姿】 + ... デザインまとめ + ... 初期デザ + ... 勝負服 + ... 【概要】 詳細 タマモクロス担当トレーナーで元々女性である。 ちょいちょい食い気味にしてはタマモに突っ込まれている。 本人としては家族の為に頑張るタマモを甘やかしたい。 タマモといるようになり、関西弁がほんのりうつってしまったようすでエセ関西弁が混ざる。 薬膳料理が得意で心遣い溢れる手料理でタマモの食生活を改善させた。 またちびっこ達の面倒を見るのも好きでタマモの家族ともとても仲がいい。 性格 温潤良玉。素直で茶目っ気のある。面倒見もいい。 タマモとの関係 ウチとトレーナー タマモとは姉妹のように仲がいいが、咬み痕が首筋にあったり姉妹のような仲の良さを越えてきている。 家族ってそういう…… 【エミュ】 「はろー!うちはタマモクロスのトレーナーやでーよろしゅうな!」 「ん?この喋り方?ちょっとタマモのがうつっちゃった?みたいな感じでーす!」 「タマモと今日も元気にがんばりまーす!」 呼称/口調 1人称 うち 2人称 きみ(同い年/年下)、あなた(年上/目上の人) 同い年/年下は呼び捨て、年上/目上の人はさん付け 基本丁寧語だが関西弁が混ざりタメ口のようになる。 行動 できる/すること + ... 特技 料理(薬膳料理) お菓子作り(料理ほどではないがそれなりに) ちびっこの相手 その他 幽霊等の怪異への対応 etc… できない/しないこと + ... できないこと しないこと 【他トレーナーとの関わり】 オグトレ トレセンに来る前から交流があり、兄のように慕っているがレースの時はしっかりライバル視する。 SSまとめ 作成者によるもの 白い稲妻とうち + ... ウマ娘になってしまっていた。 「おはよー!…じゃなくてっ!タマモ、うちなっちゃったみたいです」 https //bbs.animanch.com/board/455479/?res=162 タマモの誕生日 「誕生日だし……それもかねて…」 https //privatter.net/p/8869628 俺たちにしか聞こえない声は悲しそうに言葉を紡ぐ 「何度廻ってもうちはうちやからな」 https //privatter.net/p/9441959 短編/概念系 + ... 料理を教えることになった 「ハンバーグ!ターボ、ハンバーグがいい!!」 https //privatter.net/p/9473319 書いて頂いたもの + ... いろんなトレと https //bbs.animanch.com/board/461073/?res=47 タマトレたちと https //bbs.animanch.com/board/474716/?res=86 https //bbs.animanch.com/board/781987/?res=170
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登録日:2011/04/03(日) 17 48 37 更新日:2024/05/19 Sun 07 53 27NEW! 所要時間:約 6 分で読めます ▽タグ一覧 2001年 CAPCOM GBC VC アイリスゲスト出演 アクション カプコン ゲーム ゲームボーイカラー スクランブルチェンジ ソウルイレイザー ソルイレ ダブルヒーロー ロックマン ロックマンX ロックマンX2 ソウルイレイザー ロックマンシリーズ 走塁レーザー 青き閃光か、赤き衝撃か 2001年7月19日に、ゲームボーイ用・ゲームボーイカラー対応ソフトとしてカプコンから発売された横スクロールアクションゲームで、『ロックマンX』シリーズの外伝作品。 ニンテンドー3DSバーチャルコンソールでも2013年12月25日から配信中。 ステージの特定地点を通るとセーブされ、中断してもその地点から再開できるオートセーブ機能搭載。 海外でのタイトルはMega Man Xtreme2。 サイバーミッション同様、ロックマンXからロックマンX3の三作品をリメイクして一つの作品へと仕上げている。 前作がどちらかと言えばX1ベースだったのに対して、今作はX2とX3をベースに、更にゼロ専用シナリオの存在・アイリスの登場など、X4の要素も含んでいる。 各ステージにも様々なアレンジが入り、ストーリー面でも大幅にオリジナルの割合が増した。またオリジナルボスも多数登場する。 エックスミッション・ゼロミッション・エクストリームの三つのモードがあり、エックスミッションはエックスのみ、ゼロミッションはゼロのみ、エクストリームはエックスとゼロ両方で全てのステージやボスと戦う総集編となっている。 最初選べるのはエックスミッションとゼロミッションのみで、エクストリームは両ミッションのクリアによって開放される。また、真の最終ボスと戦うのもエクストリームだけである。 最大の特徴として、敵本拠地とエクストリームでは『スクランブルチェンジ』が可能。一部の場面を除き、セレクトボタンでエックスとゼロを任意のタイミングで交代、自由に使い分けられる。 X7に先駆けて実装されたダブルヒーロー制であり、両者のライフや武器エネルギーは別々だが、操作中のキャラのライフが無くなった時点でミスとなってしまうので注意。 また、敵を倒した際に出現する『ソウル』を集めると、ソウルの数に応じた強化パーツを開発できる。開発した強化パーツは各キャラ毎に一定数装備できる。 ちなみにソウルとはレプリロイドのDNAプログラムを抜き出したもの。 ◆あらすじ 南洋の孤島『ラグズランド』で、突如レプリロイドのプログラムが消滅して抜け殻となってしまう『イレイズ現象』が大量発生。 ラグズランドへ調査に向かったエックスとゼロは、過去のイレギュラーが次々と復活しているのを目撃する。 そこにガレスと名乗る謎のレプリロイドが現れ「復活したイレギュラー達を倒せば研究所の場所を教える、我々を止めてみせろ」と挑戦してきた。 レプリロイド達の正常なソウルを取り戻すため、エックス達は戦いを受けて立つ。 ストーリー時期としてはX3とX4の中間にあたる。 ◆主要キャラクター エックス 主人公。イレギュラーハンター第17精鋭部隊隊長。 ゼロ イレギュラーハンター第0特殊部隊隊長で、元エックスの同僚。 今回はもう一人のプレイヤーキャラとして登場。 作品自体はX2、X3ベースだが彼の操作はX4基準のゼットセイバー仕様でゼットバスターは一切使えない。 最初からエアダッシュ可能だが、今回二段ジャンプは使えない。 時系列的には今作がゼットセイバーのデビュー戦となる。 アイリス レプリフォースからの交換研修生で、オペレーターとして研修中。今回のミッションでエックスとゼロをサポートする。 X4では悲劇的なヒロインだったが、今回ファンサービスとしてゲスト出演を果たした。 R20によると、過去なので胸を小さくしたらしい。 Dr.ライト エックスにパワーアップパーツを授けてくれる。 そして今回は新たに、ゼロもパワーアップさせてくれる。 ガレス 今作オリジナルキャラクター。ゼロミッションで登場。 ベルカナに造られた戦士で、騎士のような鎧を纏っている。その鎧は非常に防御力が高く、並大抵の攻撃では殆どダメージを与えられない。 そして彼の持つジャベリンは自身の鎧を貫くほど高い威力を誇る。つまり… なお、イラストで並んでいるライオン型メカニロイドは残念ながら登場しない(普段はいるらしい)。 ベルカナ 今作オリジナルキャラクター。エックスミッションで登場。 脚が見えないほどのロングスカートに杖を携えた魔女のような姿をしている。 ラグズランドの開発研究員だったという事以外、彼女自身の開発経緯などは謎に包まれている。 戦闘では宙に浮かび、辺り一面に作用する魔法のような攻撃(当たるとボタンまで封じられる仕様)を繰り出してくる。 彼らと戦う研究所ステージBGMは人気の高いX2のカウンターハンターステージのBGMが流れる、 シグマ 例によってケツアゴハゲ。今回はX2の頃の姿。 ベルカナと結託し、レプリロイドのソウルを集めて強力なボディを造ろうとした。 勝手な行動ばかり取るベルカナには手を焼いていたらしい。 ついでにX1当時のペットだったベルガーダーも研究所門番として復活している。 第一形態はX2と全く同じ(行動パターンも同じ)だが第二形態は本作オリジナル。 ◇8大ボス 倒すとエックスは特殊武器、ゼロは必殺技(カッコ内)を入手できる。エクストリームでは、ボスにとどめを刺した方のみ取得する。 一部、原作と取得できる武器が変更されている。 各々のステージは大体原作と似た構成になっているがX3出展のボスステージは容量的に厳しかったのかほぼオリジナル。 ステージBGMも原作のアレンジとなっていて中々良質なのだが、全体的にループが短くなっている他、ミスでランチャーオクトパルドステージとバーニンナウマンダーステージのBGMが入れ替わっている。 なお、エクスプローズホーネックステージは、原作(SFC版)ではなくPlayStation・セガサターン版・win版X3のメロディを再現したものが使用されている。 シャイニング・タイガード(レイクロー/ライジング) エレキテル・ナマズロス(トライアードサンダー) ランチャー・オクトパルド(マリントルネード/フィッシュファング) バーニン・ナウマンダー(ファイアウェーブ) ワイヤー・ヘチマール(ストライクチェーン/ライトニング) ソニック・オストリーグ(ソニックスライサー/ダッシュ) エクスプローズ・ホーネック(ボムビー/アースゲイザー) スクリュー・マサイダー(トルネードファング/ドリルクラッシュ) エックスミッションでは前半4体、ゼロミッションでは後半4体、エクストリームでは8体全員と戦う。 尚、ここに登場しなかったX1、X2のボス達もエクストリームクリア後に解放されるボスアタックで戦える。 ◆パワーアップパーツ 8ボスのステージ中に全4つのカプセルがあり、それに入ることで入手できる。 基本的にはX2のものと同じだが、全部揃えないと見た目が変化しない。 また今作ではゼロにもパワーアップパーツがあり、エックス同様にカプセルに入って入手する。 と言っても、カードダスの外伝作品『メガミッション』で登場したゼロ専用アーマーと違い、装備しても見た目は変わらない。 以下青字はエックス、赤字はゼロの効果 ヘッドパーツ 特定のブロックを破壊可能になる。 効果は同じだが、ゼロミッションでは該当ブロックが登場しないのでエクストリームまで実質意味がない。 ボディパーツ ダメージを半減、ノックバックも小さくなる。 また、ダメージエネルギーを蓄積し、一気に放出して画面全体を攻撃する大技『ギガクラッシュ』が使用可能になる。 アームパーツ エックスバスターのチャージショットが二発分チャージできるようになり、更に二発連続発射すると一発の拡散ショットとしても撃てる。 特殊武器もチャージできるようになる。 『ファイナル』が使用可能になる。 前方の敵めがけてまるで乱舞のように連続攻撃を叩き込むゼロの最強技。ボス相手にも大ダメージを与えられる。 フットパーツ 壁蹴りが自動的にダッシュジャンプになり、より遠くへ跳べるようになる。 また、特定のブロックを壁蹴りで破壊可能になる。 更に、左右と上方向にエアダッシュする『バリアブルエアダッシュ』が使用可能になる。 エックスと違って元々エアダッシュ可能な代わり、上方向へのエアダッシュは使えない。二段ジャンプにもならない。 おまけにこれまたヘッドパーツと同じく、ゼロミッションでは該当ブロックが登場しないので実質意味がない。 ◆波動拳&昇龍拳 エックスが全パーツを揃えた状態である場所へ行くと隠しカプセルが出現、そこでライト博士がエックスに伝授してくれる。 前作同様、波動拳と昇龍拳を両方とも使えるようになる。しかも前作より威力が上がっている。 会得後、バスターをフルチャージして下に入力しながら発射すると波動拳、上に入力しながら発射すると昇龍拳が出せる。 どちらも地上にいる時のみ限定だが、原作と違ってライフ満タンでなくても撃てる。 ◇ソウルアイテム 集めた『ソウル』から作られた強化パーツ。序盤特に役立つ回復量アップ(体力or武器)、攻撃強化や常時三段目固定(各バスター/セイバー別)など効果は様々。 “ハイパーダッシュ”(エアダッシュ含めダッシュ中は無敵状態になる)はシグマ第二形態を筆頭に終盤のボス戦では重宝する。 但し、パーツは各一つしか作れないので、特に共通パーツは慎重に。 ……ボスアタック?なにかの冗談でしょ、『ソウル』から作るなんてさ…… ◆余談 この作品は、ダブルヒーロー制やボスアタックの導入など、ボリュームの大きさ、そしてバグの多さでも話題になった。 特に有名かつ深刻なバグとして、「ライフアップを入手した後にライフが0になると、増えたはずのライフゲージが元に戻り、しかも再入手できない」「最終面の復活ボスとの戦闘中にエスケープユニットを使用するとエンディングに突入する」というものが挙げられる。 ライフアップのバグの被害に対しては、一応「ライフアップを取らずにステージをクリアし、再びそのステージを訪れて入手後、すぐにエスケープユニットで脱出する」という対応手段はあるが… これらの件について当時のカプコンスタッフは「バグではなく仕様」と回答していたが、該当部分は海外版では全て修正されている。 X6のイベント会話でも「過去のイレイズ事件と似ている」という台詞があり、ナンバリングタイトルとはパラレル扱いだったロックマンワールドシリーズと違って、正規のシリーズストーリーとして繋がっているのが分かる(*1)。 Xシリーズ唯一のRPGである外伝『ロックマンXコマンドミッション』でも、(発売時期としても)X7後のストーリーとして位置づけられている。設定上多少の矛盾が生じてはいるが。 追記・修正お願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] ちなみにベルカナは生きているらしい…再登場してほしかったなぁ -- 名無しさん (2015-07-16 23 40 39) このソウルってゼロシリーズでいうサイバーエルフと同じもの? -- 名無しさん (2015-12-26 10 28 44) バグの多さと、当時のスタッフの仕様という言い訳で話題になった -- 名無しさん (2016-04-19 22 37 45) シグマと戦うのはエクストリームだけなんだよね -- 名無しさん (2016-12-20 05 04 15) ベルカナが弱すぎる… -- 名無しさん (2017-01-22 19 35 14) ゼロのジャンプ斬りが強かった。強化パーツ2つ付ければ弱点武器並のダメージを与えられた。 後はシグマビーストが強い。即死技も持っているし防御防御性能も高いし範囲攻撃も持っているシリーズトップレベルのボス。 -- 名無しさん (2021-06-12 13 00 07) シグマもだけどイーサ ソウェルとかいうオリジナルボスがマジで強いのよ…理不尽度ならナイトメアマザーと張れるかそれ以上だと思う -- 名無しさん (2022-06-08 20 27 26) 名前 コメント
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バンブーさん、すみません。今日は休ませてもらいます。もしよろしければ、さらしと運動着だけでも持ってきてくださると幸いです。 まだほんのりと空が明るんだ時間帯、バンブーメモリーの使っている携帯にメールが届いたのは朝の6時。実際早く、まだ起きている人も少ない時間である。バンブーはすぐさま気が付き、メッセージに反応を返した。 了解しました、早めに持ってきます。気を付けてくださいっす 返信が完了したのち、バンブーは思いっきり息を吸い、そして吐き出した。 「……ああああああああ!ついにアタシのトレーナーまでもが!被害にあってしまったっていうっスかぁぁ!」 朝のトレセンに、風紀委員長の悲しみを背負った叫び声が轟いた。 いつからだろう、このトレセンにウマ娘化現象なるものが発生したのは。多分去年くらいからだろう。 下は22歳から上は88歳まで、それはもう多種多様なトレーナーたちがウマ娘と化してしまい、トレセン中は大混乱……とまではいかなかったのだが、だいぶ混迷していた。 その結果生徒会はたいそう仕事量が増え、風紀委員会もサポートへ回るようになった。あの仕事をしないブライアン副会長すら走り回っているのだ。 閑話休題。 とりあえず今日の風紀委員会の仕事を終えて、トレーナーを助けに行かねば。そうバンブーは思いながら、学園を走り回った。 「執行部定例会は次週の金曜日となっているっス。ブライアンさん、この資料を頼みますっス」 「ああ、承知した。書類は預かっておく」 「お疲れバンブー。なんか今日は表情が硬いな?」 「あー、ブラトレさんお疲れ様っス。あの、うちのトレーナーも巻き込まれたみたいっス……だからまあ仕事を早めに終わらせないと」 「え!?それを早く言ってくれよ!言ってくれたら普通にこちらで仕事引き受けたのに」 「いえ、これも風紀委員長の責務!仕事をほっぽり出していくのはアタシの気が済まねえっスから!それに、他の仕事はすでに終了してるっス、問題ありません!では!」 そうバンブーは言い切ると、踵を返してスタスタと歩いて行った。 「おー、気を付けて行けよー!」 「……相も変わらず騒がしい奴だな」 「まあそういうところがバンブーの美点だろ」 後ろからは二人の声がするが、特に気にせずトレーナーのもとへ行く準備をするために、自室へ急ぐバンブーであった。 82二次元好きの匿名さん21/11/29(月) 22 01 30 思えば、トレーナーを助けるのはこれが初めてではないな、とバンブーは思い出を振り返っていた。 最初に会ったのはまだトレセンに入学する前のころだった。勉強が苦手であったバンブーのために親が呼んできてくれたのが、今のバンブーのトレーナーであった。このころは家庭教師をする傍らに、トレーナー資格の勉強をしていたようだ。 割と思考が変な方向に飛んでいきやすいバンブーに、真摯に付き合って勉強を教えてくれた先生。勉強が苦手でも、この先生と一緒ならいろいろと頑張れる、そんな間柄であった。 しかしその関係は、偶然の不運によって妨げられた。 落雷、それによる火災。幸い死者は出なかったものの、火事に巻き込まれたことによって先生は顔に大きなやけどを負ってしまったらしい。あまり人に見せられるような状態でもなかったため、彼はお見舞いに来たバンブーにさえもその傷跡を見せず、包帯で顔の大半を隠したような状態となっていた。 「すみません、こうなった以上は……家庭教師も辞めざるを得ないでしょう」 「ど、どうしてっスか先生!アタシも、アタシの家族も何も気にしないってのに!」 「いえ、流石にこういった見た目になってしまった都合、人前に出るような仕事には向かないと言わざるを得ません……私のトレーナーとしての夢も、断念せざるを得ないでしょう……」 ほろりほろりと涙がこぼれ始め、声が震えるトレーナー。 「……嫌っス」「……バンブーさん……」 バンブーは勢いよく立ち上がり、まくし立てる。 「嫌っスよ!なんでアタシがとっても世話になった先生が夢を叶えられないで、只々教えてもらってただけのアタシがのうのうとトレセンに入られるっスか!こうなったら理事長にでもなんでも直談判して、顔がとっても怖いトレーナーでも、顔がどれだけうさん臭くっても、たとえ顔が傷だらけだっても構いませんっていう言質とってくるっスよ!」 「ちょ、ちょっとバンブーさん、病院なので静かに」「あっ!ご、ごめんなさいっス」 周囲の入院患者たちがびっくりしてこちらを見ていたため、恥ずかしくなってもとのように座り込むバンブー。 だが、その意思は変わらない。 「アタシは絶対諦めないっすよ。アタシがトレセンに入りたい事と同じくらい、先生がトレーナーになることも大事っス」 「……」 83二次元好きの匿名さん21/11/29(月) 22 01 43 「先生だって……夢、諦めたくないっスよね?」 「……そうです。今でも未練がましいとは思っていますが、出来るならあの学園に行きたい。そして、ウマ娘さんたちが夢を掴むことの応援をしたい。それは確かです」 涙ぐみながらも、真っすぐとバンブーを見つめ返す先生。それを見て、バンブーはようやくにっこりと笑った。 「だったら、思いは一緒っス!今から病院の外で連絡してみるっスから、待っててほしいっスよ」 「……早くないですか?」 「善は急げ、先生が教えてくれた言葉っスよ!」 そう言うとバンブーは、スタタタッと病室を出て行ってしまった。 そして5分とかからず戻ってきた。 「言質とったっスよ!秋川理事長が問題ないと仰ってたっス!……敬語の使い方これで合ってたっスかね……?」 「は、早い……!」 そうして、一度諦めた夢が先生のもとに秒速で戻ってきた。 そこからは、二人で夢を追う日々であった。 トレセンへの入学、そしてトレセンへの赴任が同時期になったことに喜び、選抜レースでほとんど逆指名のような形で先生とともに歩むことを決め、、最初のメイクデビュー戦でうっかり負け、未勝利戦をなんとか勝って様々なレースに参加し、初めてのG1を取って、G1で負けて、笑いあって、泣いて、喜び合って。 そうしてあっという間の三年間が過ぎていった。 これが彼らの歩んだ道、竹の記憶がトゥインクルシリーズに刻まれた始まり。 84二次元好きの匿名さん21/11/29(月) 22 02 02 「来たっすよー……あれ、トレーナーさん?」 トレーナー寮の部屋の前で、チャイムを鳴らすバンブー。だがなぜか反応が返ってこない。 (あれ?これ拙い奴じゃないっスか?) 電話をかけてもなぜか反応なし、鍵もかかってしまっている。今までのケースを知っていたが故にこれは本格的にまずい状態なのではと思い始めたバンブーは、とりあえず合鍵を寮の管理人からダッシュで借りてきた。鍵を回してみると、カチリと開いた音。 ドアを開けて、中に入るとそこには…… 「すぅぅぅんんんんすぴっ……すぴーん……」 ソファでゆったり眠りこけていたバントレの姿があった。鼻提灯まで膨らませている。 「起きろーっス!!!!」 これにはバンブーもキレ気味の咆哮を轟かせた。 「おわっふう!?……あ、バンブーさんおはようございます」 「おはようございますじゃねえっス!もう!16時!」 「あれ?もう?あれ?」 「もしかしてあれっスか、突発的事態だってのにアタシを待つついでにちょっと寝ようかなとか思ってたらいつの間にかぐっすり寝てしまってたってヤツっスか」 「……御免なさいねバンブーさん。朝だいぶ気だるげでしたので……」 「はあぁぁぁぁぁぁぁ……マジで心配して損したッスよ」 最悪の場合の想定をしていたバンブーは、がっくりと膝をつく。よくよく思い返せばこのトレーナー、先生時代のころからわりと図太い性格であった。流石にあの火事の直後は精神的にかなり疲弊していたのだが、トレーナーになることへの問題が消失した後はあっという間に元の性格に戻ったばかりか、「どの仮面がいいですかね」などと宣うぐらいには図太かった。 そんな彼……いや、今は彼女がつけているのは目元のあたりを隠す真っ白い仮面。とりあえずつけてみましたと言わんばかりに輪ゴムで何とかしてる辺り、割と混乱していたのかもしれない。 「とりあえずその仮面とってもらっていいっスか?一応確認はしないといけないんで……あー目の色も変わってる」 「あれ、そうなんですか?鏡を見る気力すらなかったから適当に仮面を付けて寝てたので……」 そう言うと、バントレは仮面を外してみせる。すると其処には…… 「うわっ、とんでもない美人さんっス……」 まつ毛はバチッバチ、眼はクリックリ、切れのよい美人の顔がそこにあった。 85二次元好きの匿名さん21/11/29(月) 22 02 18 「えっそんなにですか?」 「ほ、ほら……見てみるっスよ」 そう言うとバンブーは手鏡をバントレに向ける。バントレが見る鏡の向こう側には、金毛できれいに切りそろえたセミロングに近い髪型、切れの良い目尻、まつ毛バチッバチ、美しい翡翠の瞳を持った美人ウマ娘が一人。 「どうっスか、びっくりするくらい変わってるっスけど……」 「……あっちょっと恥ずかしい。仮面被らせてもらいます」 スススと仮面で隠すバントレ。 「……これ拙いっスね」 「ええ、だいぶ拙いですね」 「「風紀が乱れそうっス/です」」 もう既に色んな面でガタガタのズタボロなトレセン内の風紀なのだが、自身のトレーナーが見事にウマ娘化現象に巻き込まれたこと、更には仮面を外したらヤバイ級美人であったこと、ついでに言えば淡く淡くほんのり淡く思いを寄せていたトレーナーがそうなったことでバンブーの脳はショートしていた。 バントレもバントレで、火傷を負ったことによってまあそういうことは今後ないだろうと、その辺のごみ箱にポイしていた女性に対する免疫が足を引きずり、自分の顔が女性になったことに対して初々しい恥ずかしさを覚え、次いで自分が見たこともないようなレベルの美人さんであったということに驚きを隠せず、オマケにそれを寝起きの若干ボケた頭で認識してしまい混乱が加速していた。 その結果。 「あぁ、仮面被ればいいのではないでしょうか?」 「それっス!それで完璧っスよ!」 二人共々出た結論はあらぬ方向へと吹っ飛んで行ってしまった。 その翌日。 謎の金毛仮面ウマ娘がトレセンに現れたということで大騒ぎになってしまったのであった。 86二次元好きの匿名さん21/11/29(月) 22 02 32 ~~余談その1、目覚めたときの話~~ 体がもぞもぞするし、なんだか微妙に寒気がする。夢だというのに変な感じです。 そういえば昨日帰り際に女神像がピッカピカ光ってた気が……なんでしたっけ、なんかそういう話を前にチヨトレさんかテイトレさんに聞いたような何だったような……おや?夢の中だってのにだれか知らない人……人?がいらっしゃいますね。 何か言っているようです。何々……すまない、ほんとうにすまない?何がすまないんですか? え?ちょっと?もしもーし? 目が覚めると、私はウマ娘になっていました。いやそれどころではないですね、どうも風邪をひいてる気がします。人用の薬ってウマ娘に効きましたっけ……?あーその前にバンブーさんに連絡入れておかないとでした。 ぺっぺっぺとスマホをタッチしてメッセージを送る……あーこれ電話しづらい……後でお給料引き出してイヤホンの類を買っておきませんと…… あぁやはり熱っぽい。こういう日はさっさと寝るに限ります。アイマスク代わりに仮面をかぶって、おやすみなさい…… バンブーさんに叩き起こされたときには、熱は綺麗さっぱり吹っ飛んでいました。 ~~余談その2、一日目面談の話~~ 「っていうか仮面はそのままなの……?」 「ええまあ、はい。まだこの顔を表に見せるのは一寸恥ずかしいので。ですがご安心をブラトレさん、理事長には許可を頂いております」 「いやそういうわけではないんだが?まああっちよりマシか……」 「あちらというと?」 「ターボ!今日も併走トレーニングするぞ!」 「するするー!アニキ!今日もツインツインターボエンジン全開だー!」 「青タボ……お前ホントその格好で暴れまわるのだけは勘弁してくれ……」 「……いやぁ、元気ですねえ」 「その一言で済ませちゃって大丈夫なので……?」 「あちらも理事長に許可を頂いているらしいのでお互いさまということです」 「……そだね、うん」 ≫169ガンギマリ頭スズトレ21/11/29(月) 22 48 27 まともトリオと耳かき 「ウマ娘化してからずっと……」 「耳掃除してないだぁ……??」 「え、そんなにおかしい?私元からあんまりしないタイプだけど。」 「大アリだわ、軽く1年は経ってんだぞ。」 「私でさえグルーヴに時々やってもらってるんだよ??」 「グルトレでさえ……!?ごめん私の認識がバグってたみたい。」 「まあ別にやらなかったら問題がある、ってわけでもないからな……」 「せっかくだしフクトレにやってもらえば〜?人とウマ娘とじゃ感覚違うだろうし。」 「あ、いいねそれ。」 「待て、なんで俺に振る??」 「だって膝枕はなるべくグルーヴにだけしてあげたいし……」 「あとフクトレなら絶対誰かにやってあげた経験あるかなって。」 「……場整えるからちょっと待ってろ。」 「ありがとう、フクトレ。私もその間に髪解いとくね。」 「んじゃあやるがあまり期待するなよ?」 「大丈夫大丈夫、感覚掴みたいだけだし。だけどそっか、ウマ娘の耳の向き的に仰向けなんだね。」 「そうそう!いいよね〜顔見ながらやってもらえるの!」 「たまに変顔してくるやついるけどな。」 「……そういえばスズトレが髪下ろしてるのって新鮮かも。」 「あー……めちゃくちゃ長いから結ばないと大変なんだよひゃんっ!?」 「「!?!?」」 170ガンギマリ頭スズトレ21/11/29(月) 22 48 43 「……フクトレ?」 「誓ってなんもしてねえぞ。いやホントに。」 「大丈夫分かってる。あくまで念には念を入れただけだから。……スズトレ、大丈夫?」 「……だい、丈夫……(顔真っ赤)」 「ダメそうだな……次からはスズカにやってもらえ。自分でやるのは絶対無理だわこの感じ。」 「そうだね〜……とりあえず今どうするの?やめる?」 「……いろいろ分かったしここまででい」 「いや、このままやる。」 「えっ。」 「この量の耳垢をスズカに任せられねえよ。予行練習だと思って耐えろ。」 「フクトレ、私は何したらいい?」 「色々と絵面がヤバいことなるだろうから軽く人払いして、その後はスズトレ抑えれるように構えておいてもらえると助かるな。」 「分かった!!」 「待ってほんとに続けるの!?心構えんぅっ…!!」 以後、スズトレはちゃんと月一で耳掃除をスズカに頼むようになった。 ページトップ おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part512【TSトレ】 ≫15二次元好きの匿名さん21/11/29(月) 23 02 48 「…と、ファイトレさん。こんにちは。」 「ああ、こんにちはバントレ。今日はいつもの仮面みたいだね。」 …仲良く談笑しているのはファイトレとバントレ。ことバントレは最近ウマ娘になったばかりであり、ファイトレも少し気にかけていた。 「…しかし随分と慣れたみたいで。普通、もう少し慌てるかと思っていたけれど。」 「ええ、私はあまりそういうのは…」 「はは、大分図太いようだ。…けれど、私としてはそれで良いと思うよ。少なくとも、それを気に病んだりするよりは全然。」 「…ファイトレさんも気にしていない人ですね」 バントレからの返事に、ファイトレは答える 「私にとって大した問題ではなかったからね。むしろファインに並走して色々教えられたり、彼女の感覚を掴めることの方が嬉しいよ。」 「ファインさんには勉強とかも教えているので?」 「その通りだね。彼女に教えて上げられるものは全部教えるつもりだよ。そのおかげか、成績に困ったことはあまりないさ。」 「…なら、私が教える必要はあまりなさそうです」 バントレからのその言葉に、ファイトレは少しキョトンとしたあと、笑みを浮かべながら言った。 「もしそうなったら、私が寂しいから譲る気はないとも。…けれど、貴方の教え方は凄く気になっていてね。今度見て見たいんだ。」 「ええ、なら明日にでも見に来ますか?」 「いいのか?それなら是非行かせてもらおう」「その代わりと言ってはなんですが、外国の著名な論文って持っていますか?もしあるのなら、一度読んでみたいと思いまして。」 「…ふむ、ウマ娘関連だがいくつか持ってきているから、それで良いなら貸し出すよ。」 「ありがとうございます。」 ペコリとお辞儀をするバントレ、だが姿勢を戻そうとした際に仮面がほんの少しずれたのか、隙間からちらりと顔が見えた。 16二次元好きの匿名さん21/11/29(月) 23 03 04 「あっ…」 慌てて仮面を付け直すバントレ、一方それを見ていたファイトレは (なるほど、絶世の美女って訳か。道理で…) 「すいません、見苦しい所をお見せしました」「ふふ、私は気にしてないので大丈夫ですよ、それに、仮面の下は勝手に見るものではない。…違いますかね」 「…ファイトレさんは時々男性より男性らしく振る舞いますね…。すみません、時間もそろそろなのでこの辺で」 「ああ、また後で。」 立ち去っていくバントレを見つつ、 (冷徹な仮面と愉快な仮面か) 自分と彼女がつけた仮面の事を比べて思うファイトレであった。 短文失礼しました またやっております。教育者つながりてファインに色々教えているファイトレと話してもらいました。少し突貫工事がすぎるぞおい! ファイトレからしたら、そういうできる所はどんどん改善すべきだと思ってます。彼女達は仮面をつけているということも同じですね。 ≫104二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 07 35 08 ピッ! 「…よし、ここまでね。」 ホイッスルを吹いたキタトレから掛けられる声、プールでトレーニングをしていたチームメンバーは水から上がった。 「…それで、キタトレ的にはどうなの?」 上がってきたサトトレから問われたキタトレは、手に持っていた端末から視線を外さずに返事した。 「そうね、今回のトレーニングは上々ってところかしら。私からすればもうちょっと伸ばせると思うけど。」 「…よく考えなくてもG1バと重賞バを同時にトレーニングさせるとか、担当のトレーナーの感覚は狂いそうだね。」 「そもそもG1バが最初の担当の時点でもうおかしいわよ?頭を焼かれても仕方ないわね」 「実際焼かれてるでしょ?太陽の輝きに。」 「貴方もダイヤモンドの輝きに目を焼かれてるのに何を今更かしら。…まあ、私は輝く天使にも焼かれかかってるからそれはそうね。」 「…言ってくれるねキタトレ。まあでも、僕からしたら信頼できるトレーナーだよ。」 「ふふ、言えるようになったじゃないの。」「まだ微妙だけどね。…それと、僕がそれを引き受けるよ。」 「なら頼んだ…」 「トレーナーさぁっ!?」 その時、後ろから来ていたセラタプラタがうっかり足を滑らせ、キタトレに倒れかかる。反応できないキタトレ。 ザバァン! 105二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 07 35 42 派手な水飛沫と音とともに、二人揃ってプールに落ちた。慌てるチームプロキオン。 「…ぷはっ」 程なくして浮いてきたキタトレは、セラタプラタを片腕と胸で抱えたまま、心配するチームメンバーに声を掛けた。 「私は大丈夫よ、誰かセラタプラタを引き上げてくれないかしら。」 「トレーナー、私は大丈夫です…」 「なら良かった、とりあえず上がりましょう」 「はい…」 プールから上がってくる二人、水着のセラタプラタはともかく、普通の服だったキタトレは濡れて凄いことになっていた。 「とりあえず早めに着替えるとして…」 ふと、周りからの視線が微妙なことに気づくキタトレ。チームは勿論、他の所も目を逸らしていた。微妙な顔のサトトレが声をかける。 「キタトレ…服が…」 …濡れたことで服が張り付いて透け、その結果非常に豊満なバストと引き締まった腰、そこそこ大きなお尻がくっきりと強調されていた。 そしてその状況をすぐさま把握した彼女は 「…その、ごめんなさいね」 とだけ言い残して足早に立ち去っていく。 結果、それを見ていた全員の悶々とした空気がその場には残されたのであった。 短文失礼しました 昨日の水着ネタを遅れて使ってます。酒宴させる前にこっち先が良かったか…?あの体型での濡れ透けは非常によろしくないと思う。 ssを書く時は妄想を字に起こすだけなんだけど、こと自分の感情とかも乗せがち(乗せると大抵重くなる)のがなんとも…しかもそうすると加速するし… ページトップ おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part513【TSトレ】 ≫19二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 12 05 18 「お前の走りが見たいんだよ、俺は!お前だって走りたいんじゃあないのか!それをなんだ、トレーナーを皆追い返しちゃって!」 「煩い!私の抱えてるものも知らないくせに!何がわかるんだ、アンタに!」 「だから、こうやって聞いてるんでしょうが!解らないでトレーナーなんかになれる訳がないっ!」 「ッ……好きに……好きにしろ。ついて行くぐらいはやってやる」 富野節のようなそれっぽい何かになったブラトレ達のストーリー中の口論…? いやクソ難しいよねって 25二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 12 13 35 「あなたの担当は確かに優れた資質を持っているようですが、無礼を許すわけにはいきません」 「こういう馬鹿な男性もいます…世の中捨てたものではありませんよ」 「ふふ…先生からそのような申し出を受けるなんて嬉しい」 「でも困りました…貴方はものの頼み方を知らないようですね」 違う…ハマーン様に合わせてみたけど俺の中のウラトレ先生はこんなこと言わない…!!でも言うかも…() ページトップ おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part514【TSトレ】 ≫50邪龍ぐるみ、咲いちゃう21/11/30(火) 18 24 54 「……どう、でしょうか。お二人とも」 「う~ん……これは、どう見ても……」 「……うん、間違いない。これは……」 「「アジサイだね」」 「やっぱり、そうですよね」 「この、たてがみ? の部分に咲いているのは、俺の見立てではガクアジサイだろうと思うよ」 「顔のあたりが空いてるし、私もそう思います。それで、この肩? に咲いてるのは……ホンアジサイ、かな?」 「ニシトレさんもグルトレさんも、お詳しいんですね。見ただけで細かな種類までわかるなんて」 「ありがとう、黒鹿毛のクリトレ君。俺はまあ、好きこそものの上手なれ、ってやつかな」 「よく花壇のお世話なさってますもんね~……本っ当にありがとうございます……助かってます、ホントに」 「好きでやってるから気にしないで。生徒会の手伝いやら、色々大変だろうし。何かあれば声かけて、力になるから」 「グルトレさんもグルーヴちゃんも、最近お忙しそうですからね……僕も何かお手伝い、しましょうか?」 「気遣いが嬉しい……けど、大丈夫だよ栗毛のクリトレ。ニシトレさんもね」 「そうですか……あ、グルトレさんはどうしてそんなにお花に明るいのか、お伺いしてもいいですか?」 「む、いい質問だよ栗毛のクリトレ! 実はね、グルーヴが色々教えてくれてね! こないだも……」 「スイッチの入ったグルトレ君は栗毛のクリトレ君に任せるとして。どうしてこうなったのか、聞いてもいいかな」 「あ、はい。そろそろ洗った方がいいかな、と思って、洗濯方法の書いてあるタグを探したんです」 「ふむ。見た所、なさそうだ……けど、そこで話は終わらないんだろ? 黒鹿毛のクリトレ君」 「ええ……次の日トレーナー室に来たら、この子の足元に紙があって、そこに書いてあったんです」 「不思議なこともあるものだね……それで、その紙にはなんて?」 「"洗剤を使わず手で揉み洗いして、日当たりと風通しの良い所で乾かしてください"と」 「……その手順に従ったら、この通り、ぬいぐるみにアジサイの花が咲いたわけだ」 「はい……不思議ですよね」 わがなは「じゃりゅう・あこうかまじしさい」。りゃくして「あじさい」。みずとひかりで、はながさくのだ。 いっしゅうかんくらいさくぞ。きぶんてんかんにどうぞ。へやがはなやぐことまちがいなし。はなだけに。 (了) ≫75二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 19 02 50 ある日、ムントレは悩んでいた。 そんなムントレに、近づくものがいた…… 「うーん……」 「あ、ムントレさん?大丈夫?」 「あー……ルドトレ。実は──」 ~🕐~ 「ふむふむ……"究極のおでんを作りたいけどその材料を如何に集めるか"……」 「ああ。購入はまず考えたけれども、究極のちくわ、究極のハンペンを作るならまず材料の鮮度が大事、究極の大根と究極のコンニャク芋は既に理事長のニンジン畑を間借りして栽培してるから大丈夫だけれども、やはり魚介類が……」 「……昆布も魚介だし、何よりつみれとかも……」 「ああ……だからこそ、自ら魚を手にいれたいものだが……」 そこに颯爽と現れるセグウェイ一つ。 乗っているのは── 「よっ!どうした?そんな推理物を買ったら実はアクションだった顔して!」 「ゴルトレ!」「ゴルトレちゃん!」 「んー……このゴルトレ様が推理したところ、多分船舶免許いるやつだな?」 「その通り!実は──」 ~🕐~ 「ふんふん……その"究極のおでん"っつーのはジャニーズ案件じゃねえか?」 「採算度外視だから単価は気にしないよ?少なくとも、TOKIOのラーメンよりは……」 「ああ。究極の具で作ったおでんこそ究極となる、なんて単純なことは考えていない。だけれども、究極の具で作ったおでん、それを手にしてみたいと……」 「んー……とりあえずお前らのやる気はわかった!よーし、ゴルトレちゃん号についてこい!」 「「おー!」」 76二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 19 03 03 こうして、三人は明日が休日なので翌日まで待ってから、ゴルトレに連れられ行き先も見ずに電車に乗った── 「……ところで行き先は?」 「……大洗かな?」 ────大洗。 「ついたー!」 「長いこと電車に揺られ……おっと、もうお昼時か……」 「ならよぉ……やっぱあれっしょ!」 「だね!」 「だな!」 「「「あんこう鍋!」」」 ────こうして、結局三人はあんこう鍋を食べて水族館を見て、ごみ袋を買って帰った。 シンボリルドルフとマチカネタンホイザの賢さが5上がった。 ページトップ おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part515【TSトレ】 ≫52後編(上) 1/1021/11/30(火) 21 28 56 ────ウマ娘がレースの時に並ぶゲート。何回も、何回も見てきたコレだがまさか自分が並ぶ日が来るとは思わなかった。 アイツが因子の話をしてくれて、尚且つ“霊力”を貸してくれたのはありがたかったのだが……少し話が長かった。俺がゲートについた時にはもうレースが始まる5分前、他のトレーナーさん達はもうとっくのとうに並びきった後だった。 何とか間に合ったという安心感と、観客席から感じる目線に恥ずかしさを感じつつ、いそいそとゲートに入る。すると、隣に並んでいたブラトレさんが話しかけてきた。 「よう、カフェトレ。随分と遅かったな」 「あ、はは……色々ありまして」 「そうか、まぁ大変だがお互い頑張ろうぜ」 「ええ、頑張りましょう」 ……どうやらこの青い光は他の人には見えないらしい、というか見えたら面倒なことになる。遠くにいるフクトレさんの目線が痛いが気にしないことにした。 俺のゲートは一番左端、右を向くと全員の横顔が見えるのだが……みんな目が本気だ。 スズトレさんやフラトレさんはまだわかるのだが、マルトレさんやネイトレさんといった、普段は走るところを想像できない人たちまで決心した表情をしている。 息を呑んだ、さっきまでだったら腰が引けてただろう。だが今はアイツの力を借りている。少し卑怯な気もするが……今ならもしかして上位に…… ────そしてゲート開放の時間になった。 53後編(上) 2/1021/11/30(火) 21 29 34 3……息を整える。 2……そして前を向いた。 1……俺ならいける。 0……ガコンッ!という音と共にゲートが開いた。 スタートダッシュは上々だ。 アイツとのトレーニングで、俺は中距離適性の逃げ脚質だということが分かった。3200mだからといって差しなどの戦法を取っても、その前に体力が切れるのは目に見えている。だから俺は大逃げを決めるつもりで全力疾走した、それが一番最善、かつ上位に入れる可能性が高いと思ったからだ。 アイツの力を借りてるからか、練習の時とは比べ物にならないぐらい速い。周りの風景がすごい勢いで変わっていく、風を切る音が激しい。 これが……本来のウマ娘の力か。 だけど…… みんな速いな……? 先頭を走るつもりだったが……俺の前にはテイトレさんとフクトレさん、ブラトレさんが走っている。さらに少し奥にマクトレさん、そのずっと奥にカレトレさんとスズトレさんが見える。俺も二人の場所に行くつもりで走っているが……これは難しそうだ。 カレトレさんとスズトレさんが逃げの戦法を取ることはわかってはいたが、他の四人に関してはまだまだ体力を温存してるように見える。一方こっちは全力で走っている……どうやらアイツが『霊力を入れてトントン』と言ってたのは嘘ではなかったようだ。 力を借りていなかったら完走できなかったのはまず間違いない。 などと考えてるうちに後ろから来たルドトレさんとフラトレさんに抜かされる。もう減速してきた、まだ1200mあたり……半分すら行っていないのに。 54後編(上) 3/1021/11/30(火) 21 30 09 「クソっ」 悪態をついた、他でもない自分に対して。 もう身体がキツくなってきている、逃げの脚質なのに体力が無さすぎるのだ。それでも必死に食いつこうとフラトレさんの背中を1バ身ほど空けて追いかける。 前を走ってる人たちに関しては、スズトレさんとカレトレさんもスタミナが切れ始めてるのか、少しずつ減速し始めていた。逆に他4人はペースを上げ始めている。どうやらここから勝負を決めるつもりらしい。まぁフラトレさんに食らいつくのすら必死な俺には無関係の話だが。 2000m、ここまで頑張って来たがついにフラトレさんと2バ身ほど空いてしまった。すぐ後ろからは誰かは分からないが息遣いを感じる。意地でここまで食らいついたが……限界か。 残っている距離もかなり長い、体力を温存しないとこの先が厳しくなってくる。そう思い、徐々にスピードを落としていった…… その時だった。 がくん、と膝から崩れそうになる。 慌てて体制を直そうとする……が、足が急に重くなり上げることができない。 息が荒くなる、周りの音が遠くなる、周りが少しずつ暗くなり始めた。 なんだ……?なにが……? 身体を見てみるとアイツがくれた青い光が消えていた。 あぁ まぁ そう上手くはいかないか。 55後編(上) 4/1021/11/30(火) 21 30 48 すぐ後ろにいたであろうオグトレさんが俺の横を駆け抜けていく、そのすぐあとにロブトレさんとタイトレさんが走っていき……背中がどんどん遠くなり……見えなくなった。 俺は走るのが嫌いだ。これは子供のころからずっと同じだった、ウマ娘に変わってしまっても走ることは嫌いなままだった。 それなのに、なんで俺がこんなレースに出て、なんで俺だけ不平等な状態で走らなければいけないんだ? 俺にはウマ娘の『闘争心』なんてものは無いのに。 時間がゆっくりに感じる、視界がかなり暗くなった、恐らくぶっ倒れる数秒前なのだろう。なのになぜか思考だけは異様に働く。相反して体は重く、重くなっていく。 2200m……俺にしてはよくやった方だ、アイツに力を借りていなければここまでこれなかったろう。 悔いはない。身体が急に怠く、重くなったのは力を借りたせいだろうが、責める気は無い。鍛えてくれて、更にここまでしてくれたアイツを……責める気にはなれない。 でも、カフェにかっこ悪いところを見せちまうな…… 56後編(上) 5/1021/11/30(火) 21 31 20 諦めていた、ここから立ち直る気力なんて残ってない。後はこの遅く過ぎていく時間に身を任せるだけだった。 身体が少しづつ斜めに、斜めに倒れていく…… その時だった、もうほとんど何も聞こえない耳に音が届いたのは。 「トレーナーさんっ!!」 ……この声は…… 57後編(上) 6/1021/11/30(火) 21 31 56 俺はゆっくり進む時間の中、残った少しの気力を絞り観客席に目を向けた。 おぼろげにしか見えないはずの視界、何故か彼女だけはハッキリと、明確に見えた。 マンハッタンカフェ、俺のかわいいかわいい愛バ。観客席から身を乗り出して、いつもは出さないような大声で俺の名を呼んでいた。 ……カフェ、俺はいつもお前の素晴らしい夢を叶えてほしいと思って過ごしてた。お前の夢を支えるために全力を尽くしてきた。 まだ地面までは少し遠い、次に共に過ごした日のことが脳裏を過る。 一緒に怪奇現象を乗り越えたこともあった。 一緒に温泉旅行に行ったこともあった。 一緒に幻影の遊園地で遊んだこともあった。 お前をレースに勝たせてやれなくて、悔しい思いをさせたこともあった。 俺は情けない自分が嫌になって泣いた。 お前も悲しそうな顔をしていた、泣いている俺を横目に。 なのに…… なのに…… なのに、なんであの時よりも悲しい顔をしてるんだ? 58後編(上) 7/1021/11/30(火) 21 32 34 あぁ、そうか。俺を心配してくれてるのか。 お前は優しい子だからな、いつも自分のことより俺のことを考えてくれるんだ。こんなトレーナーのなりそこないみたいな俺のことを。 ……俺は…………何を考えてるんだ? 違う。 違うだろ。 お前と会う前の、根性無しの俺とは違うんだ。 カフェと色々なことを経験して俺は強くなった、彼女と一緒に強くなれた。辛いことだってお前と、お前と一緒だったからこそ乗り越えられてきた。 俺はトレーナーのなりそこないなんかじゃない、俺はマンハッタンカフェのトレーナーだ。きっと……いや、これから絶対にもっと強くなる俺のかわいい愛バ。そのトレーナーがくよくよしてどうするんだ。 だから、頼むからそんな悲しそうな、泣きそうな顔をしないでくれ。お前にはずっと、ずっと笑顔でいて欲しいんだ。 ……俺は、俺はお前に魅入られて 俺は…… 俺はっ!! 59後編(上) 8/1021/11/30(火) 21 33 06 芝生を再び強く踏みしめる、血液がまた激しく流れ始める。そして、ゆっくりと過ぎていくはずだった時間の流れが元に戻った。 そうだ、俺は……俺はまだ走れる。彼女の為なら!! 900m、最早姿勢も呼吸法もでたらめな走り方だ。こんな姿をトレーナーの俺が見せるのは恥以外の何でもない。 800m、だが……だが今だけは、こんな滅茶苦茶な走り方でも見てほしい人がいる。 700m、視界が回り、耳鳴りがする。だからなんだ、こんなものでは俺は止まらない。 600m、滲む視界の中、ゴールだけを見てただ無我夢中で走る。 500m、足裏が痛い、ふくらはぎが痛い、膝が痛い。やっぱり走るのなんて…… 400m、走るの……なんて…… 300m、………… 200m、今こんなことを思うのも変だが…… 100m、走るのって楽しいんだな。 ────転がり込むように俺はゴールした。 60後編(上) 9/1021/11/30(火) 21 33 35 そのままその場に倒れる、足から筋肉痛を数倍酷くしたような痛みが走ってくる。いつもカフェには走り終わったあとは息を整えろと言ってるのに……俺も深呼吸をしようとする、むせて咳込んだ。 そういえば順位……と思い、横目で自分の順位を見る。結果は11位……頭が回らなくてそもそも何人だったか覚えていない。とにかく低い順位だ。だが……俺は完走しきった、3200mを走りぬいてやったのだ。 満身創痍の状態でいると、遠くの方からブラトレさんの声がした。 「おーい!!カフェトレー!!平気かー!?」 「いや、正直運動不足のお前が完走すると思わなかったよ!!よく頑張ったな!!」 俺も返事をしようとしたが、口からは「かひゅ」という空気がかすれる音しか出なかった。 「あ、悪い。無理して返事しなくてもいいぞ。それよりも……ほら、見てみろ。お前の愛バが来たぜ」 遠くを見てみると、慌てた様子のカフェが走って俺の方へと駆け寄ってきてた。 「トレーナーさん……無理はしないでと言ったのに……!!」 「…………ご、めん……」 俺は無理やり口から謝罪の声を捻り出した、しゃがれた声しか出ない。そして意識がもうろうとし始めた……ここまで根性だけで頑張ったが、どうやらそろそろ限界らしい。 視界の横で、申し訳なさそうな顔をしながら水を持ってくる“アイツ”を視界に入れたあと、ゆっくりと俺の意識は闇へと落ちていった。 61後編(上) 10/1021/11/30(火) 21 33 58 心配そうなカフェの顔と、ぼそりとだけ聞こえた 「……かっこよかったです」 という言葉と共に。 ≫138チケトレの人21/11/30(火) 22 54 19 胸の奥にすまうもの④ 「おーいっ!!ウオトレさーーーーーん!!」 「ちょっ、チケット、声がでかいって…」 1km先まで届きそうな声でチケットが呼び掛ける。 みんな振り向いてるからやめてほしいと思いながらチケットに手をぐいぐいと引っ張られウオトレのほうにむかっていく 「おっ、チケットとチケトレさんじゃないか、どうしたんだ?」 「アッ、ドモ、ウオトレサン」 「なんか固いけど大丈夫なのかチケット?」 「あー、緊張してるんだよ多分。」 緊張のせいか、かたことめいた口調になりチケトレは恥ずかしさで思わず自己嫌悪に陥りそうになった 「トレーナーさんがさ、ウマソウルのことについて聞きたいんだって!!」 代わりにいってくれてありがとう──心のなかでそう感謝の言葉を告げると、気を取り直してチケトレは自分の身に起こっていることを説明した。 並走のときのこと、ウマソウルのこと、そして夢でみたこと──すべて説明するとウオトレはちょっと困ったような顔を見せた。 「だったら蛇の道は蛇、ギムレットに聞いたほうが早いんじゃないか?」 ギムレット──ウオトレの身に宿るウマソウル。ウオトレとは共存関係にあり、聞いた話ではウマソウルを鑑定することが出来るという。なるほど、確かに今のおれにうってつけの人物といえる。 そう考えていると、ウオトレは目を閉じる。 しばらくすると、アクアマリンのような水色をした瞳が黄玉がごとき金色に輝きその鋭い双眸に胸を撃ち抜かれたような感覚に陥った 139チケトレの人21/11/30(火) 22 54 54 「うわあ、一気に雰囲気が変わったねえ」 思わずチケットが言葉を漏らす。実際、20真ん中くらいの男性がいきなり 壮年の危険な香りを放つちょいわる親父になったようなものだ。その迫力に思わず二人して生唾をのみこんだ。 「ほーう…。チケットの─あんたもなかなか難儀なのに捕まったな」 「なんか分かったんですかギムレットさん!?」 「ああ、恐らく今は休眠状態ってこととこのウマソウルはウイニングチケットの血縁者だってことだ」 「アタシの、血縁者…?」 チケットがキョトンとした顔でギムレットの方を見つめる表情はさしずめあり得ないといった顔だろうか。 「ああ、ちょっと驚いたがな。それも、俺と同じ親父殿らしい」 「チケットの親父さんですか…」 「父親といってもこの世界のウイニングチケットの父親じゃあない。アンタの身体のウマソウルがもといた世界でウイニングチケットとウマソウルが父子関係にあったんだ…って聞いてるかウイニングチケット」 頭が情報を処理できなくなったのか今にも煙が立ち上りそうな表情でチケットはフリーズする。チケトレが目の前で手を振っても反応しなかったので仕方なくチケトレとギムレットの二人で話を進める。 140チケトレの人21/11/30(火) 22 55 26 「それで、ウマソウルの名を教えていただけませんか…?」 早く教えてほしい、そんな表情でチケトレは訴えかける。 「まあ、慌てなさんなチケットの。」 「…そのウマソウルの名は──」 ──── ─── 「おーい、チケット-」 「はっ!?ご、ごめんっ!固まっちゃってたみたいっ」 ようやくチケトレのかざす手に反応しあたりを見回す 「あれっ?ウオトレさんは?」 「用は済んだってことでチケットに宜しくとだけ言ってもどってったよ」 「そっかぁー、アタシもどんな子か聞きたかったなー」 口を尖らせてチケットが呟くがチケトレは愛想笑いをするもどこか浮かない表情を見せ、二人はトレセンの廊下を歩く。 流石にあんなこと伝えるわけにもいかないしなあ チケトレは心のなかでぽつりとこぼした 141チケトレの人21/11/30(火) 22 56 00 時間は少々遡り10分前──チケトレとギムレットが話をしていた頃まで巻きもどる。 「そのウマソウルの名はトニービン。俺の居た世界ではウイニングチケットの親父に当たる奴だな」 「チケットのお父さんですか…」 一言だけ返すとチケトレは考え込んでしまった。 あくまでもチケットと血縁関係にあるのはこことは、別の世界──この世界のチケットとは何ら関係ない。そう分かっていてもチケトレのなかにはウマソウル──トニービンの発していた言葉が頭から離れなかった 「息子を返してくれ」「なぜおまえなんかが私を差し置いて」「許せない」「おまえさえ居なければ」「おまえが私の息子に相応しいわけがない」 頭のなかに直接流れ込む怨嗟の声─あれは夢だと己に言い聞かせるもいやにリアリティーのあるそれは不快に感じさせるには十分だったのだ 「不安か?」 優しい口調で尋ねるギムレットにチケトレは力なくうなずくしかできなかった 「安心しな。恐らくお前さんが見たのは質の悪い夢だ。見た限り今は落ち着いている。話し合うことはできるだろうしからだを乗っ取られることはないだろうさ。」 その一言に、チケトレは幾分か救われたような気がした。 「……おれはうまくやっていけるでしょうか」 「ボウズと俺だってやっていけてるんだ。気負うことはねえよ」 「そういっていただけると有り難いです……相談に乗っていただきありがとうございます」 「報酬はニンジンを所望するぞ。ボウズはラーメンがいいみたいだがな」 「分かりました、今度おごりますね」 そう返すと楽しみにしてるからなと言いギムレットさんはじゃあなとだけ残して歩いていった 肩で風を切り歩くその姿が今は頼もしく見えた。 ≫147二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 23 34 27 ドリップコーヒー リウトレ 昼休みが終わり、シリウスはトレーナー室をあとにした。昼休み終了間際に構ってほしそうに迫ってきたがあたしは許さなかった。彼女は競争ウマ娘ではあるが、学生なのだから学業も大事にしてもらいたい。トレーナーという指導者としての立場であるあたしのエゴと言われたらそこまでだけども。指導者と言っても、彼女との年齢差は然程ない。だから向こうも変に改まることもない。ギクシャクするよりは良いとは思っていた。あたしのような新人でも選んでもらえただけありがたいことなのである。ケトルで沸かしたお湯をドリップコーヒーをセットしたマグカップへゆっくりと注ぐ。気持ち寒くなったトレーナー室にコーヒーの香りがひろがる。本当はちゃんとしたのが飲みたいところだけれども、あくまで職場なので切り替える意味も込めてドリップコーヒーを選んでいる。 人生はいろんなことがある、わかっていたけどウマ娘化することは想定外だった。それによってあたしの人生構想が狂わされてしまったことも。正直シリウスが卒業したらあたしは彼女から離れ、トレセン学園を去り、トレーナーを辞めるつもりだった。想定していたはずなのに、あたしは怖くなってしまった。トレーナーを続ければまた、ひとりの人生を棒に振るいかねないのではないか、と。だからあたしは別の道を改めて勉強しなおすことも考えていた。 もしかしたら彼女に出会っていた時点で狂わされていたのかもしれない。彼女はどうしてあたしに固執したのか、今でもわかっていない。ただ、わかっていることはあたしを大事にしてくれて想ってくれる。どんなに辛酸を舐めても、トレーナーであるあたしを恨まず、憎まず、契約を切ろうと話を持ち掛けても首を縦に振ることをしなかった。元々アプローチはされていた。いつぐらいからか、出会ったときからかもしれない。当時のあたしがそれをコミュニケーションの類や揶揄いではなく、アプローチとして認識し始めたのはその話を持ち掛けてからだ。それを口説き文句のそれだと感じるようになっていた。今ほどの身体の距離が近くなることはなかったものの、時折近いと感じていたことはある。トレーナーらしいことなど何ひとつとしてできていなかったあたしに何をそこまでするのだろう。彼女は自分だって辛いはずなのに、それを出さずにあたしに気を遣っていた。 148二次元好きの匿名さん21/11/30(火) 23 34 37 マグカップからドリップコーヒーを外すとぽたりぽたり、マグカップへ垂れるコーヒー。少し安っぽいこのコーヒーの香り。不思議と好きだ。マグカップを手にパソコンの前に。作業をしながら今日の夕食を考える。2人分を考えるのが当たり前になっていた。この身体にも慣れてきた気がする。慣れないこともあるけど、それは基本的に日常生活には関りのないことだ。彼女に話しておくべきかは保留にしよう。作業をしながらコーヒーを口にしていく。苦いだけで何もない安いコーヒー。うとうとしてしまうこの時間には丁度いいものだ。コーヒーが冷めて、マグカップからなくなる頃にはいつものようにノックもせずに彼女がトレーナー室に入ってくる。今はそれがどこか待ち遠しく感じている。この前までと違うこと。あたしは生きるのが下手くそだったんだなぁと思わされる。でも少しずつ変えていきたい。彼女となら大丈夫。そう思えるようになれたから。 ≫167二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 01 27 38 10年前 ゴールっ!ねぇねぇお姉ちゃん、どうだった?速かった? すごい、前よりもずっと速くなってたよ。毎日練習してたの? うん!あたしは将来トゥインクルシリーズで活躍するウマ娘になるの!だから特訓してるんだ! それは素敵な夢ね。お姉ちゃん応援するよ。できることがあったら何でも言ってね。 ありがとう!…あっそうだ!あたしが大きくなってデビューしたら、お姉ちゃんがトレーナーになってよ! …えっ、私がトレーナー? うん!あたしとお姉ちゃんが一緒ならきっとすごいことができるって、そんな気がするの!だから、お願いっ! …ふふっ。分かったわ。あなたの夢、私も一緒に背負う。 先にトレーナーになって、『ハクア』のことを待ってる。約束する。 168二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 01 28 49 1年8ヶ月前 すごい人気ね。あの走りを見せられたら当然の反応ではあるけど。 あなたも、スカウト? うーん、半々かな。もちろんその気持ちもあるけど、ただ貴女のことは個人的に気になっていて。ずっと話してみたかったの。 …私は、一人でも走れる。誰の助けがなくても、走らないといけない、勝たないといけない。そう言ったら、来たトレーナーは皆困った顔をしていたわ。あなたは、どう? そうね。…私は、貴女がどんな思いでレースに挑んでいるのか知りたい。どうしてそんな、まるで自分に罰を与えるかのように走っているのか。その理由が、私は気になる、かな。 …あなたには、そう見えたの? なんとなく、ね。見当外れのことを言っていたらごめんなさい。 別に、いい。 …よしっ。決めた。友達になりましょう『アドマイヤベガ』 えっ? やっぱり私は貴女のことが放っておけないみたい。でもすぐにトレーナーとして、というには時間も信頼も足りてない。だから、友達。まずは、お互いのことをよく知るところから。…だめ、かな? 169二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 01 29 49 9ヶ月前 妹… うん、私にはウマ娘の妹がいるの。『ハクア』っていう名前なんだけど。その妹が来月、トレセン学園に入学してくるんだ。 …そう。 私が、トレーナーになったきっかけでもあるの。何年も前に、デビューしたらお姉ちゃんがトレーナーになって!って頼まれて。来月から1人、少し騒がしいのが増えるけど、いいかな? いいわ。私のやることは、何も変わらないから。 ありがとう。…ねぇベガ。貴女の思いを、私は否定しない。それが貴女の強さだから。でも、苦しんでまで、無理をしてまで走ることを、私も『妹』も望んではいない。それだけは間違いないから。それを、忘れないで。 170二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 01 30 39 7ヶ月前 「ダービー」凄かったです!アヤベ先輩っ! …ありがと。 お疲れ様、ベガ。いい走りだったよ、本当に。 あたしも早くアヤベ先輩みたいにレースで走りたいなぁ… 『ハクア』にはまだ早いよ。まずは基礎体力をしっかりつけてから。 はいはーい、分かってまーす。 …少しだけ、不思議な気分。今まで、誰かの憧れになんてなったことがないから。でも、悪くない。 「なんのために走るのか」。ゆっくりでいいから、ベガには考えてもらいたいんだ。そしていつかは…自分を許してあげてほしい。ベガには笑顔でいてもらいたいから。 …考えておくわ。 171二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 01 31 35 6ヶ月前 目の前に広がるそれは轟音を上げ 火炎が平穏を呑み込んでいく 誰かの静止を振り切って 真っ赤に染まった世界へと飛び込む お姉ちゃん、助けて 中には妹がいる。 私が。私が。私が。助けなくては。 あぁ。 こういう気持ちなのか。 こういう絶望なのか。 今になってやっとあの娘の気持ちが分かった。 妹の救出は間に合わなかった。 私は一度生死の狭間を彷徨ったものの、最終的にはなんとか助かった。 私は助けられなかった。 私は残されてしまった。 約束したんだ。私がトレーナーになるって。一緒に夢を叶えようって。応援するって。できることなら何でもするって。 こんな終わりがあってたまるか。こんな運命私が許さない。神様、どうか。残された私の全てを賭けて。 奇跡よ起これと祈り続ける。 172二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 01 32 27 5ヶ月前 …トレーナー。 久しぶりね、ベガ。心配かけてごめんね。 何が、あったの? …あの日、火事で『ハクア』が死んで。私は助かって。それからずっと祈ってた。そうしたら… 熱く燃えていく感覚も、死ぬまでの記憶も残ってる。死んだはずなのに、「あたし」はこうして、お姉ちゃんの身体を借りて、アヤベ先輩と話すことができる。 …! どんなオカルトか、超常現象か、「私」に何が起きたのか全然分かってないの。でも事実として、今私の中には2人の人格がいることになる。そのせいか見た目も少し変わっていて、『ハクア』にかなり近くなっているかな。 耳と、尻尾… 身体のそれはウマ娘のものに変わってしまったらしいって、病院の人は言ってたわ。人格のことは伏せてあるから、どうしてなのかは分からないって首を傾げてたけど。 平気なの? 今のところは問題ないかな。人格も任意で切り替えができるし、表に出ていなくても、感覚や思考は共有できてるから。すごく変な感じだけどね。だからベガは心配しないで。退院まではもう少し時間がかかるけど、戻ったらまた、しっかりトレーナーを続けるから。 「あたし」も大丈夫です!変なことにはなっちゃったけど、でもこれってとっても幸運なことでもあると思うんで!またアヤベ先輩と一緒にトレーニングしたいんで、待っててください! 173二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 01 33 13 3ヶ月前 左脚の炎症…ごめん、気付けなくて。 ううん、いいの。少しの休みが来ただけ。『ハクア』としばらく走れなくなるのは残念だけど、でも必ず治して、またレースの舞台に立つから。 …成長したね、ベガ。私も早く治るように協力する。 ありがとう、トレーナー。 じゃあ「あたし」が、アヤベ先輩が復帰するまでの間、先輩の役目を引き継ぎます! えっ…? 幸いというかなんというか、今このお姉ちゃんの身体はウマ娘。何回もこの身体で走ってはいるから勝手は理解したつもりです。だから、アヤベ先輩が回復するまでは、「あたし」がレースに出ます! ちょっと待って。『ハクア』はまだ、入学してからまだ半年経つくらい。だいたい今のその状態でメイクデビューに出るどころか「本格化」もまだなのに… 確かに以前の「あたし」の「本格化」はまだでしたけど、でも、お姉ちゃんのこの身体は、既に「本格化」を迎えているんです。 …そうなの?トレーナー。 …確かに「私」のこの身体はレースで走れるだけの準備ができてはいる。そういう意味では嘘ではない、かな。 お願いしますアヤベ先輩!「あたし」に走りを教えてください!先輩たちのいる舞台に挑戦してみたいんです! もちろん、これは「私」たちのわがまま。何よりも優先すべきなのはベガの脚の治療。でも、その中で、もしベガに余裕があるようなら、少しでいいから、『ハクア』の指導をお願いしたいの。今の「私」にはもうできないことだから… 174二次元好きの匿名さん21/12/01(水) 01 34 34 現在 なんだかこうやって話すのは久しぶり。夜遅くにごめんね。寮長さんや学園の人に見つかったら怒られちゃうかな。 …その時は謝ればいいわ。私も、気になっていたから。 ありがとう。ベガは優しいね。 そう、今の「私」の状態について、話しておかないといけないことがあるの。 きっかけは多分あの時。菊花賞のあとにベガの炎症が発覚して、『ハクア』が代わりに走りたいと言った、あの時。 あの日以来、「私」の意識は日に日に小さくなってる。こんな夜遅くにならないと表に出てこれないくらいには。感覚や思考はもう共有できないし、切り替えももう任意にできない。そう遠くないうちに、「私」は消えるのかもしれない。それを、伝えておきたかった。 …っ。どうして…なの。 完全に「私」の推測でしかないけど、もともと無茶なことだったんだよ、きっと。死んだ妹の魂が生き残った姉の身体に同居するなんて。奇跡は起きたけど、完全な救済なわけがなかった。片方の要素が強くなれば、その分だけ残りは追いやられる。1つになろうとして小さい方が吸収される。今のこの身体のことを考えれば、こうなるのは当たり前だよ。 どうにもできないの? 少なくとも「私」には分からない。だから、もし、「私」が消えてしまっても大丈夫なように、今日はベガに話しておきたかった。 ありがとう。ここまで一緒に来てくれて。 ありがとう。「私」たち姉妹に付き合ってくれて。 そして、お願い。妹は何も悪くない。でも、少し天然だから。多分「私」のことを、最近出てこないなぁ、くらいにしか思ってないかもしれない。最後まで迷惑をかけるけど、どうかそんな妹と、これからずっと仲良くしてくれたら嬉しいな。 …私…私は。トレーナーに会えてよかった。つらかったレースが、少し楽しいと思えた。自分を、少しだけ許せた。私は、トレーナーに感謝してる。もっと3人で、一緒にいたいと思ってる。だから…だから…いなくなるだなんて言わないで…トレーナー。 …ありがとう、ベガ。うん、あと少しだけ、最後の時間を、貴女と過ごしたい。 そしてその日以降、「私」が現れることはなかった。 ページトップ part○○~○○はこちら ページトップ
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フクトレさんは霊感持ちだからあたしが見えるんだった。 「デジトレから電話だ。何かあったらしいから直ぐに行ってやれ」 身体と一緒に放置してたスマホに掛かって来た留守電を聞いたのだろうか。フクトレさんの表情はからしてただごとではなさそうだ。 「わかりました!ありがとうございます!」 身体に戻ってトレーナーさんの部屋へ急ぐ。 扉を開けて中に入ると、トレーナーさんではなく見覚えの無いウマ娘ちゃんが座り込んでいた。直ぐ、それがウマ娘化したトレーナーさんだと気付いた。 「どうしよう、デジタル」 涙目で見詰めてくるトレーナーさん。その姿を見てあたしは、感動と興奮で意識を失いそうになっていた。 だって、ウマ娘ちゃんじゃないけどトレーナーさんは同じ志を共にする同士だ。その人がウマ娘ちゃん化したとなったらあたしの理性は崩壊寸前だ。 とりあえず話を聞く為に近付くと、急にトレーナーさんが抱き着いて来た。 彼女の体温や香りが肌から脳へと浸透し、一瞬失神しそうになるが、違和感に気付いて意識を取り戻す。 (震えてる……?) あたしの身体にすがりついて肩を震わせていて顔色も悪い。 「どうしたんですか?どこか苦しい所でもありますか?」 「わからない。起きてからずっと嫌な感じがしてて……」 「念のため保健室で見て貰った方がいいかもしれませんね」 「そうする……」 力ない足取りで立ち上がったトレーナーさんの手を取って外に出る。 震えが、伝わって来る。 ウマ娘ちゃんと手を繋ぐなんて冒涜的にも程があるが今は躊躇している場合じゃない。 (あたしがなんとかしないと……!) 47デジトレウマ娘化(リメイク)321/10/14(木) 07 40 31 廊下を一緒に歩いていると、テイトレさんと遭遇した。 変貌したトレーナーさんの姿を見て目を丸くしている。 「またウマ娘化……。いや、それよりどうしたんだ?随分と顔色が悪いけど」 「ウマ娘化してから気分が悪いらしくて、今保健室に向っている所なんですよ」 心配そうな顔のテイトレさんが懐からスマホを取り出した。 「先に連絡しておくよ。早く検査出来た方がいいだろし」 「すいません!ありがとうございます!」 テイトレさんにお礼を言ってから先を急ぐ。 黙っていたトレーナーさんも軽く会釈して歩き出した。 それから保健室に着いたあたし達はテイトレさんが先に連絡してくれていたお陰で検査は滞りなく進んだ。 休み休みだが保険の先生の質問に答えていくトレーナーさんだったが、血液の検査と言って注射器を取り出した途端に様子がおかしくなった。 呼吸がどんどん激しくなり、身体を震わせ始める。 「どうしたんですか……?」 「ひゅーっ!ひゅーっ!ひゅーっ!」 声を掛けても返事は無く、荒い呼吸を繰り返している。 心配になった先生が近付いて手を伸ばした瞬間____トレーナーさんが倒れた。 「トレーナーさん‼トレーナーさん‼」 倒れた身体を揺さぶるが反応しない。 失神している。なんで?何か悪い所があるの? 不安であたしの呼吸も不安定になって来る。心臓の鼓動が痛い。 「起きてよ……ねえ………」 その姿も声を掛け続けたが、トレーナーさんは目を覚まさなかった。 48デジトレウマ娘化(リメイク)421/10/14(木) 07 41 19 それから意識を失ったトレーナーさんはベッドに寝かされ、あたしは授業もあるので心配だが一旦先生に任せる事になった。 授業中もずっとトレーナーさんの事が心配でまったく身が入らなかった。 終わり次第、保健室に急ぐと眠っているトレーナーさんの他にスーツ姿のウマ娘ちゃん、フクトレさんが待っていた。 「お疲れ、朝振りだな」 「あっ、お疲れ様ですフクトレさん」 壁に寄りかかっていたフクトレさんがぶっきらぼうに挨拶する。 倒れたトレーナーさんを心配して来てくれたのだろう。 トレーナーさんに視線を移すと朝よりは呼吸も顔色も良くなっているが目を覚ますまでは安心出来ない。眠っている間にも色々検査しても特に悪い所は見られなかったそうだがこのまま昏睡状態が続く様であればもっと大きい病院で本格的な検査も必要になってくる。 「デジトレの事なんだが、話しておかなきゃいけない事があってな」 神妙な面持ちで話し始めるフクトレさん。 一瞬、名残惜しくトレーナーさんを見てから彼の方に身体を向けて話を聞く姿勢を取った。 「ウマ娘化したての人間は人とウマ娘の気配が両方あるんだが、デジトレのウマ娘としての気配が薄くなってる。そして人間の気配もウマ娘化している気配に近い所から薄くなってるんだ」 「……それって」 「気付いたか。流石に勘がいいな」 フクトレさんは霊能能力と言う特殊体質持ちだから周りとは見えている景色が違う。 だからあたしにはフクトレさんに何が見えていたかを完璧には想像出来ない。 ただ、何を言おうとしているのかは分かった。 このまま二つの気配が薄まって行けば、そのまま消えてしまう。 トレーナーさんが、二度と目を覚まさなくなると言う事だ。 「どうにかする方法は無いんですか⁉」 最悪の想像をしてしまい、思わずフクトレさんに詰め寄ってしまう。 フクトレさんも、苦々しい表情でトレーナーさんを見ている。 「俺も考えてはいるがさっぱりだ。心霊現象ならともかく三女神が起こした謎現象なんてどう対処すればいいんだか……」 49デジトレウマ娘化(リメイク)521/10/14(木) 07 42 02 あたしは必死に頭の中でウマ娘化現象に付いての情報を巡らせる。 今まで聞いた話によれば、ウマ娘化現象は人間の身体にウマ娘ちゃんの因子が入り、それによって身体がウマ娘ちゃんの身体に変貌してしまうと言うのが一番多い例だ。また、その因子の影響や身体が女性に変わった事により精神に不調を起こす人も少なく無い。 けれど昏睡状態に陥った人の話は聞いた事が無い。 「デジトレの中で何が起こってるのか知れると良いが、因子に干渉する手段なんてあるのか……?」 「因子に……」 因子はウマ娘ちゃんの魂の結晶の様な物だ。 相手の身体の中の因子に干渉するだなんて、それこそフクトレさんの様な得意体質か継承で自分の因子を送り込むでもしない限り不可能だ。 ______ん? ふと、あたしの中である可能性が浮かんだ。 あまりに馬鹿馬鹿しいが、これなら使えるかもしれない手段が。 「フクトレさん、因子に干渉する方法……見付かったかもしれません」 50デジトレウマ娘化(リメイク)621/10/14(木) 07 43 21 目を覚ますと、俺は真っ黒な空間の中に居た。 暗闇ではない。上も下も周りも全てが黒く塗りつぶされているのだ。 (さっきまで保健室にいた筈だよな……ここは何処なんだ?) どうも記憶が曖昧だ。 起きていた時もまるで他の誰かが身体を動かしている感覚がして、自分はそれを深い場所から眺めていた。 それで、俺の身体を動かしていた存在……恐らく、目の前でうずくまっている青毛のウマ娘だろう。 「ごめん」 そのウマ娘はゆっくりと立ち上がって話始めた。 「本当は自分だけで消えるつもりだった。でも気が付いたら表に出てきちゃって貴方の魂に近付きすぎてしまったんだ」 下を見ると、自分とウマ娘が白い影で繋がっていた。 「朝見た夢や、保健室での行動は君の物か」 「うん。『こっち』に来る前の記憶だよ。」 恐らく、あの夢はこのウマ娘の最期の記憶だろう。 あれが死の感覚。他人の記憶の追体験であるが、確かにあれ程の恐怖は二度と体感したくない。この娘の恐怖は、俺が体感した物の比ではないだろう。 「人間に生まれ変わりたかったんだ。自分の人生を自分の意思で選択出来る様に。でも、またウマになってしまって……また、同じ思いをするのかって考えたら怖くて消えたくなったの。だけどさっき言った様に貴方に近付いてしまった事で貴方の魂にまで影響が出てしまった」 ふと、自分の手を見ると指先から透明になっていた。 脚も影に繋がっている所から消えかけている。 「このまま離れれば、繋がりが切れて貴女は助かる。巻き込んでしまって、本当にごめんなさい」 そう言って頭を下げるウマ娘。 彼女の中では、俺を巻き込んでしまった罪悪感と、死のトラウマで埋め尽くされているのだろう。 51デジトレウマ娘化(リメイク)621/10/14(木) 07 43 57 俺は頭を下げたままのウマ娘に近付き、彼女の手を取った。 突然手を引かれた彼女は驚愕の表情を見せてくる。 「まって、違う!置いていってよ!」 「いいや嘘だね。本当は消えたくないんだろ」 「っ⁉」 「君の記憶に触れたから分かるんだよ。何も出来ずに死んで行ったのがどれだけ悔しかったか。もっと色んな経験がしたかったって。……じゃあウマ娘でも出来るぞ」 「また同じ事になったら、また走れなくなるかもしれないのに」 「ウマ娘の人生は走るだけが全てじゃない。普通に働いたり、別の競技に挑戦したりと選択肢は豊富だぜ?」 「でも……このままアタシと一緒に目を覚ましたら、貴方とアタシの意識が混ざって別人になるかもしれないんだよ?そしたら、貴方を待っている人がどれだけ傷付くか」 「俺を待ってるのがデジタルだからやるんだよ。アイツなら迷わず君を助ける道を選ぶから」 涙目で顔を歪めている彼女を見た。その表情からは、恐怖とその奥に隠れた期待の感情が読み取れる。口では消えたいと言っているが、本当は生きたいと願っているのはわかる。 だったら助ける以外に道はないし、たとえ他の道があったとしてもそれ以外は選ばない。 「デジタルはウマ娘が大好きでさ。どんな事があっても推し続ける生粋のウマ娘オタクなんだ。だから、性格や容姿が変わったぐらいであの子の心が離れる事は無いんだよ」 俺は今までのデジタルと共に過ごした日々を思い出していた。 多大な功績を残したウマ娘。報われなくても懸命に努力した姿を評価されたウマ娘。心も、身体も折れて立ち直れなくなったウマ娘。道を踏み外してしまったウマ娘。 いろんなウマ娘達を見て嫌な思いもした筈だが、それでもデジタルは変わらなかった。 「例え俺の意識が混ざって無くなったとしても、俺の存在は消えない。デジタルなら俺をちゃんと認識してくれるから」 「……いったいどんな人なの?貴方を待ってる人って」 「言ったろ?生粋のウマ娘オタクだって。アイツはウマ娘の為ならどんな場所にだって行くんだ。芝、ダート、海外と色んな場所に。…………まあ」 ______トレーナーさん見つけたあああ!」 本来聞こえる筈の無い聞きなじみのある声。こちらに走って来る小さな人影。 その姿を見てウマ娘は目を丸くしていた。 「まさか人の身体にまで入って来るとは想像してなかったけどな」 52デジトレウマ娘化(リメイク)721/10/14(木) 07 44 57 ____話は少し前に遡って。 「魂……因子だけになってデジトレの中に入る⁉」 あたしの提案に目を丸くするフクトレさん。 内容はあたしの尊みで身体から魂が抜けちゃう体質を利用し、魂=因子だけの状態になって継承と言う形でトレーナーさんの身体に入って中の因子に干渉すると言う方法だ。 「だがあまりにも危険だ。最悪、お前まで帰ってこれなくなるかもしれないんだぞ」 「はい、そこでフクトレさんの零体に触れることが出来る体質が要になるんです」 「俺の体質だと?」 「あたしは今からトレーナーさんの中に入って、中の因子と話して来ます。そしてあたしが合図したら、外からあたし達を引っ張り上げて欲しいんです」 「そんな事やった覚えもないし成功する可能性は低いぞ」 「大丈夫です。フクトレさんなら出来るって分かってますから」 「……無茶言いやがる」 頭痛を堪える様に眉間を抑えるフクトレさん。 確かに冷静に考えたらあまりにも馬鹿げている、あたしにはこれ以上の案は思い付かなった。もしあるとしたら、それこそ神頼みぐらいだろう。 暫く考えこんでから、スマホを取り出した。 「わかった協力する。だが少し待て」 「どうしました?」 「見張りを呼ぶ。集中力が必要になる作業だからな」 そう言って誰かに連絡をするフクトレさん。 今の内にあたしも気を引き締めておかないと……! 53デジトレウマ娘化(リメイク)821/10/14(木) 07 45 43 それから少しして、フクトレさんが見張りとして呼んだマンハッタンカフェさんとフクトレさんを探しに来たマチカネフクキタルさんが病室にやって来た。 フクキタルさんはたまたまとしてカフェさんはフクトレさんと同じ霊能力者だから事情が説明し易かったのだろう。 「状況は把握しました。見張りは任せて下さい」 「私も何か協力を……!そうだ!ここは得意の占いで!」 「余計なことせんでいい」 「えぇ……」 フクキタルさんがカバンから何かを取り出そうとしてフクトレさんに静止される。 一瞬落ち込んだ表情になったが、すぐに立ち直った。 ともかく、これで準備は整った。あとは実行するのみです。 身体から魂を抜くには極度の興奮状態にならなければいけない。 普段は不意打ちの尊みで起こっていたが、今はそれを超える衝撃が無いと出来ないだろう。 ____正直かなり恥ずかしいが、やるしかない。 眠っているトレーナーさんにゆっくりと顔を近付けて行く。 ウマ娘ちゃんにこんな事をするなんて普段なら切腹モノだが今回ばかりは目を瞑って欲しい。それに、この方法なら一発で昇天出来る。 眠っているトレーナーさんに、ゆっくりと顔を近付けて行く。 「お前まさか……」 あたしがやろうとしている行動を察したフクトレさんが目を丸くしているがもう後には引けない。 あたしは小さく開いたトレーナーさんの唇に自分の唇を、そっと重ね合わせた。 「なっ⁉」 「大胆ですね……」 デジタルがデジトレにキスをした。 突然の行動に見張役のカフェとフクはほんのり頬を赤くしている。 少し驚いたとは言え予想はしていたフクトレはそのまま失神したデジタルとデジトレの身体に手を触れる。目を閉じて、二人の気配に集中する。 「必ず戻って来いよ……!」 54デジトレウマ娘化(リメイク)921/10/14(木) 07 46 59 そして話は現在に戻り。 「トレーナーさん見つけたあああ!」 あたしは気が付くと立っていた真っ黒な空間をウマ娘ちゃんセンサーを頼りに駆け回り、ついにトレーナーさんと、彼の中に入った因子を見つけた。 二人ともウマ娘の姿になっているが、なんとなく驚いた表情の方がウマ娘ちゃんの因子だと分かった。 少し息を整えてから、ウマ娘ちゃんに話し掛ける。 「ここに来るまでにお二人の話が聞こえました。……トレーナーさんの言う通り、あたしは推しがどんなに変わったとしても、その子を応援し続けます」 「でも、今までの彼が消えちゃうかもしれないんだよ?」 「それでもです。今まで色んな路線変更したウマ娘ちゃんを見てきましたが、あたしには皆変わらず輝いて見えました。それはトレーナーさんも同じです。どれだけ見た目が変わろうと、人格が変わろうと、あたしが彼を認識する限りトレーナーさんは変わらず存在し続けます」 「なんで、そんな考えが出来るの……?」 「あたしはウマ娘ちゃんの為ならどんな苦難だって乗り越えられますから。勿論、貴女も対象ですよ」 怯える表情のウマ娘ちゃんに近付き、そっと手を差し伸べる。 「あたしは貴女に色んな物を見せてあげたいし色んな経験をして欲しい。だからお願いです。あたし達と一緒に来て下さい」 「俺も同じ意見だ。ここで君を見捨てる事は出来ない。俺と一緒に前世の分も生きよう」 55デジトレウマ娘化(リメイク1021/10/14(木) 07 48 14 トレーナーさんも彼女に向って手を差し出す。 ウマ娘ちゃんは恐る恐るだが、手を伸ばして来てくれた。 その顔には涙が流れている。 「本当に良いの……?アタシが混ざっても、彼が彼じゃなくなっても……」 「言ったろ。デジタルが覚えていてくれる限り、どれだけ変わっても俺は消えないって」 数秒、中途するウマ娘ちゃんだったが要約決心したのかあたしと、トレーナーさんの手を同時に掴んだ。 弱々しくも、意思の強さを感じる力で。 「と言う訳だデジタル。色々変わってるだろうけどよろしく頼むよ」 「言われなくてもそのつもりでっおおっと⁉」 後ろから強く引っ張られる感覚がした。 フクトレさんが呼んでる。そろそろ戻る時間だ。 身体が浮いて二人から話されて行く。 フクトレさんが、自分の霊力を繋げてあたしの魂を引き寄せているのだ。 「すいませーん!続きは外で!」 「気を付けて帰れよー!」 遠くから聞こえるトレーナーさんの言葉を最後に、あたしはトレーナーさんの中から引っ張り出された。 「この先ウマ娘としての人生が待ってる訳だから、末永くよろしくなアタシ」 「うん、こちらこそよろしくね。俺」 二人のウマ娘の姿がゆっくりと薄れて行き、光の球の様になった。 そしてその球は重なりあって一つになり、暗闇の中に溶けて見えなくなった。 56デジトレウマ娘化(リメイク1121/10/14(木) 07 49 11 目を開けると、デジタルがアタシの顔を覗きこんでいた。 彼女と混ざったからか、自然と一人称がアタシになっている。 二人で数秒間見詰めあってから、笑った。 「ただいま、デジタル」 「お帰りなさい。トレーナーさん」 安心した様に力なく笑うデジタルの頭を優しく撫でた。 少し震えている。本当は不安で仕方なかったのだろう。 でもアタシには 「魂だけで身体の中に入ってくるなんて、随分無茶をして。心配させないでくれよ」 「どの口が言うかよ」 横からツッコミを入れて来たのはフクトレ。 他にもマンハッタンカフェとマチカネフクキタルも居る。 「みんな、トレーナーさんを助ける為に力を貸してくれたんですよ」 「そう言う事だ。心配したはこっちの台詞だよ」 フクトレの言葉に同意する様に頷くカフェとフクキタル。 色々迷惑を掛けてしまったらしい。今度なにかお礼をしないといけないな。 「そういえば、どうやってアタシの中に入って来たんだ?」 その質問をした瞬間、周りのみんなが「あっ」って感じの顔になった。 デジタルに至っては顔が真っ赤になっている。 一体何をしたんだ? 「秘密です!これは絶対に言えません!!」 激しく腕と首を振るデジタル。 フクトレを見ると何故かニヤついてるし、他二人も薄っすら笑っていた。 「ま、あれは言えないよな」 「ですね」 「はい!」 ……色々解せないが、気にしない方がいいだろう。 57デジトレウマ娘化(リメイク1221/10/14(木) 07 49 57 「ねえデジタル。早速で悪いんだけどさ……一つお願いがあるんだ」 「……なんでしょうか」 まだ少し顔の赤いデジタルが返事をする。 これは、アタシの一番最初の願いだ。 「名前を付けて欲しいんだ。ウマ娘としての名前を」 「あたしが名付け親ですか!?また責任重大な!?」 「お願い、デジタル」 そう頼み込むと、名前を考えているのかベッドの前でうろつき始めるデジタル。 「これは違う」や「これも合わない」等と色々ブツブツ言っては唸っている。 きっと今、デジタルの中では様々な名前の候補が浮かんでは消えて行ってるのだろう。 「あ、いやでもコレは……」 「良いの思いついた?じゃあそれでお願い」 「でもちょっと露骨と言うか、恥ずかしいと言いますか……」 「デジタルがくれた名前ならどんな物でも嬉しいよ」 こう言うのは変に悩み続けるより、インスピレーションで決めてしまった方がいい。 どれだけ変わった名前になろうともアタシは喜んで受け入れるから。 「……わかりました。じゃあ行きますよ」 そう言うとベッド脇の椅子に座り、アタシの目を真っ直ぐ見詰めて来る。 期待に、胸が高鳴って来た。 「生まれて来てくれてありがとう______アグネスデバイス」 デバイスか。確かにデジタルの相棒に相応しい名前だし、照れるのは分かる。 ともかく、これで漸くアタシはこの世界に生まれる事が出来た。 感極まって思わずデジタルに抱き着くと、彼女は「きょっ」って奇声を上げたと思ったらそのまま白目を剥いて失神してしまった。 そうだった。ウマ娘オタクのデジタルが急にウマ娘に抱き着かれたらこうなるよな。 「締まらねーなあ」と言うフクトレの声を背中で受けながら、アタシは失神してるデジタルに声を掛け続けた。 ≫https //bbs.animanch.com/board/100017/?res=63 ≫https //bbs.animanch.com/board/100017/?res=65 ≫https //bbs.animanch.com/board/100017/?res=68 ≫https //bbs.animanch.com/board/100017/?res=85 ≫92乗るしかねえこのBWに21/10/14(木) 08 43 07 今日は体調不良でゴメン、休みでいいかな?というメールを受け取ったのが今朝の話 今は健康体だけど前のことから少し不安になってしまったためにトレーナーさんの部屋へ来たら 「あ、フジ。お見舞いに来てくれたのかな?ありがとう」 そこには、胸元を完全に開けっ放しにしてソファに横になっているトレーナーさんがいた。 「えーっと、トレーナーさん、どうしたのかな?その恰好」 私は、思わず露わになっている局部を見ながらそう聞かざるを得なかった 「あ、これ?胸が今やたら敏感になっちゃっててさ。色んなイミで仕事にならないから何もつけてないの」 「あー、成程。そういうことだったんだね……」 私のそんな心内を察したのか、トレーナーさんはその返事を聞いて微笑みながら言う 「気になる?」 「……それは、もう」 あくまでエンターテイナーとしても、一人の恋人としても、紳士的であろうとは思っているしそうできているとは思うけれど流石に恋人の魅力的な局部が露わになっていて完全に気にしないことはできない。 普段なら「そんなことすると貴方の魅力に充てられる人が出てきてしまうから隠してほしいな」というけれど、今回は事情が事情だからそういうわけにもいかない。 「好きにしていいよ」 「えっ」 そんなことを考えていると、爆弾が投げ込まれた 「だって僕とフジの仲でしょ?」 当たり前の様に。確かに健康になってから一線は超えたけれども。 「それに、ここ僕の部屋だし。他に誰も入ってこないから」 ね?と貴方は笑う。今回は完全に好きにしても(例え吸ったとしても)そのまま文句は言わないであろうことも分かる 「こういうとき貴方は本当に狡い」 「今は甘やかしたい気分ってことだよ」 そう言って腕を広げる貴方の胸元に、とりあえず埋もれに行く私だった ≫https //bbs.animanch.com/board/100017/?res=162 https //bbs.animanch.com/board/100017/?res=171 ページトップ おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part227【TSトレ】 ≫10二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 10 06 44 対になるもの ーーーその日、ターフの上でキタトレは悩んでいた。 (そろそろ私では力不足かしらね…) トゥインクルにデビューしたサトトレとのトレーニングだが、担当と一緒に並走したり模擬レースに付き合っていたのだ。 私がレースに出ないことを生かして組めるトレーニングは他ではできない手法のひとつだった。 だが彼女がデビューしてある程度時は流れ、彼女は無敗のステイヤー、審判者という渾名をもらうまでに成長した。 そのため最近では特に模擬レース等で私が負けることも多くなり、実力が足りなくなってきていることを自覚していた。 (キタとダイヤちゃんはそう簡単に組めないけど、かといってこのままでは遠くないうちに限界ね) ちなみに彼女のトレーナーは私でもある。サトトレが競争バとなる時に名前だけ貸したからであった。 どうしようかと悩みつつ、私は今日の模擬レースの準備を始めた。 ターフの上で、ジャージに身を包む私とサトトレ、いやサトノジャッジ。 「今日もよろしくお願いします」 「いいわよ、足掻かせてもらうわ」 そう言いつつ考える。 (走法や脚質は既に色々試したし、今日は安定の 逃げで行くかしらね。…それでもきついけど) 4000m右回り芝、普通のウマ娘ならあまりしない距離だが私達は何度もやる距離だった。 タイマーをセットして構える、サトノジャッジの雰囲気が変わる。 11二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 10 07 46 ピピッ! タイマーのアラーム音がなった瞬間、二人揃って飛び出した。 彼女は追い込み、私は逃げ。早速ペースを上げることで持久力勝負と持ち込む。 この距離でそれについてける子は少なく、ジュニア期くらいの子ならステイヤーでもバテる程。 しかしサトノジャッジはステイヤー、中長距離無敗の彼女相手には微妙なものだった。 (食いついてくるわね…スパートまでに体力を削っておかないと) コーナーを超え、直線に入っていく そのペースを維持したまま気付けば半分を超えていた。 依然として彼女はついてくる。私も体力を切らすことはないがジリ貧だ。 (このまま負け続ける訳にはいかないのよ…!) 自分に叱咤しつつ脚を動かす、感覚がブレる。 後ろの彼女は楽しそうに口元に笑みが浮かぶ。 3000m地点、そろそろ仕掛けて来る頃合いだ。 チラリと後ろを見る、彼女はまだ余裕そうだ。 (また負けかしら…) ふと思う、諦めかけた瞬間だった。 「トレーナーさん!」 遠くでキタの声が聞こえる。練習を早く終わらして来たのだろうか。 (…そうね、情けない所を見せ続けるなんてみっともないわ。) (だからこの体、まだ引き出せるでしょう…!) ーーー私を制御する気か 「ええ、使わせてもらうわ。」 ーーー私は俗にいう気性難だぞ、お前ができるとでも? 「私はどんなものでも抑えてみせましょう。例え何でも。」 ならやってみせるんだな 12二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 10 08 44 ーーー私が無意識に掛けていた軛を外す。 その瞬間、暴れ狂うような本能が襲う。 人生で経験することのないであろう強烈な感覚 獰猛な獣の如きそれを理性で制御する、流れを上手く抑えるように。 綱渡りのようなそれを成功させ、限界を超える。 ーーーゾーンに入る、世界が塗り替えられていく。 ダークブルーの夜空の下で、彼女を中心に闇が広がっていく。 暗闇の中で紅く染まった眼を輝かせて走る。 それは全てを飲み込むように。 身体中が熱く感じるなかで速度を上げていく。 ジャッジを引き離していく、ジャッジも光として追い上げてくる。せめぎ合う互いのゾーン。 じりじりと詰められていくが、いつもとは全然違い光が追いついてこない。 (…私の勝ちよ!) 400mを切る、ジャッジはまだ追いつけていない。 200mを切る、追いつきかけてきた。 100m、私の背中に手が届きそうになる。 追いつかれる直前、ゴール板を踏み越えた。 レースが終わり、驚いた顔をするジャッジに笑いながら言った。 「まだ私も負けてられないわよ。貴方のためにもね」 「あはは…やっぱり貴方は強いや」 顔を見合わせ、二人で声を上げて笑った。 固有スキル「ヴァーティクト・デイ」のレベルが上がった! ≫19二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 10 15 50 ハロウィン仕立てのミートパイ、デザートにスイートポテトを添えて オグトレ 「ブライアンにかぼちゃを食わせたい?」 「そう!ハロウィンの時期だし、何かいい案ないか?」 そうか、もうそんな時期か。俺は一考し、ナリタブライアンのトレーナーに少し早めのハロウィン色の食事会を提案した。かぼちゃをメインにサツマイモもいいだろう。デザートはライスシャワーのトレーナーに少し相談しておこう。お菓子作りに関しては間違いのない相手だ。 「それはいいな!」 尾を大きく振り、耳を動かす様子はまるで大型犬のようだ。日程を相談し、ブラトレと別れた。学園内を歩きながら、レシピを構成する。ブライアンは肉好きだったはず、それならミートパイが良さそうだ。デザートについて相談するためにライトレのトレーナー室に入る。 ───コンコン。 「ライトレ、入るぞ」 「オグトレじゃないか、どうしたんだい?」 大きくはねた髪を揺らし、こちらを見る。手にはたくさんの絵本があった。ブラトレとの食事会について説明し、デザートの相談の旨を伝える。 「僕なら、そうだね…スイートポテトはどうだろうか」 「スイートポテトか」 「ジャック・オ・ランタンやおばけの形にするだけでも雰囲気も出せる。甘いから野菜の食べないブライアンも食べるんじゃないかな」 「なるほどな…ありがとな、ライトレ」 俺はライトレのトレーナー室をあとにし、当日までの準備を始めた。 20二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 10 16 13 食事会当日。 ハロウィン仕様に飾られたテーブルに、オグリとブライアンが鎮座する。 「ハロウィンか…」 「楽しみだな、ブライアン」 眼を輝かせる2人を見つつ、俺たちも調理を始める。エプロンを身に着け、並べられた食材と調理器具。 「この前教えた通りによろしく頼む」 「もちろんだ!」 ブラトレと息を合わせながら、パンプキンミートパイを作る。一度事前打ち合わせとして2人で作ったが、飲み込みの早いブラトレは手際がよく、とても助かる。ジャック・オ・ランタンの顔に焼かれたパンプキンミートパイが出来上がる。 「よ、よし…!」 「この前できていたから、落ち着いてやればいい」 ブラトレは料理はできるが、お菓子作りは苦手のようだった。打ち合わせの際はミートパイのようにいかず、何回か作り直しをしていた。料理と異なり、適切な量をしっかり守らねばならない辺りが苦手意識を生んでいるのだろう。 「おばけの形に整えて…」 「問題なさそうだな」 ブラトレがおばけの形に整えられたスイートポテトにチョコペンで顔を描いていく。ハロウィン仕様に可愛らしくできたパンプキンミートパイとスイートポテトを並べる。眼を更に輝かせる2人に俺たちは召し上がれ、と声をかけた。いただきますと料理を口にする。満足そうな笑顔で料理に舌鼓を打つ2人に俺たちは眼を合わせ、拳を合わせた。 ≫107ガンギマリ頭スズトレ21/10/14(木) 11 04 22 「…うわぁ、完全に降ってるね…」 「近くに店なかったら危なかったですね…」 コンビニの入り口でスズカと窓から外の様子を伺いながらそう呟く。 外は数十分前からビックリするほどの大雨となっており、今もザーザー音が室内に大きく響いている。 「しばらく止みそうにないですし、どうしましょうか…」 「門限近いから止むまで待つ、はできないしね。…傘買ってこうか。私が出すから。」 「すみません、お願いします。」 「気にしないで。コンビニ傘も実はかなり使えるし買い替えの手間が省けたと思おう。」 スズカを慰めながら傘の売ってそうな場所へと歩を進める。しかし… 「まさか1つしか残ってないなんて…」 「言われてみれば、入店した時お客さん多かった気がしますので多分同じこと考えてたんでしょうね…」 買えたのは辛うじて1本のみ。私もスズカも折りたたみは持ってきてないから、これでなんとかするしかない。 「相合傘する?」 「ですね。」 あっという間だった。 108ガンギマリ頭スズトレ21/10/14(木) 11 04 45 すっかり暗くなり、雨音だけが響く街中を2人で1つの傘の下、共に歩く。肩に当たる雨がちょっと冷たい。 「…トレーナーさん、肩少し出てますよね?」 「うん、身長差あるからどうしてもね。」 前より身長差は小さくなったけど、それでも7cmはある。どっちか濡れるなら私の方がいい、そういう判断だ。 ただ、当然スズカは不満そうにしている。表情に変化がないくらい些細だから、わかる人は少ないと思うけど。 うーん、どうしたものか。仕方ないこととはいえこの状態で別れたくないため、少し考え込む。 考え込んで、閃く。 「…ねえスズカ。」 「なんですか?」 「もう少し私の方に寄れる?」 「…!分かりました。」 すぐに私の意図を察したのか、スズカがその体を私にくっつける。 よし、これで… 「…うん、ギリギリいける。スズカの方は当たってない?」 「はい、大丈夫です。これで行きましょう、トレーナーさん。」 一度止めた足を再び動かす。スズカと接してるところから彼女の温もりが私に伝わり、肩から入ってくる寒さを消し去る。 「暖かいですか?」 「…うん、あったかい。」 「ならよかったです。」 夜の冷気が世界を包む。だけど、あるところにはやんわりとした温かさが、道のように残っていたという。 ≫147二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 12 02 34 『げーみんぐブラマル~メト〇イドぜろみっしょん編~』 「えっなにこの収録部屋。いつものところじゃないんだけど」 「ようこそ…アホの部屋へ。いや誰がアホだ!…本当に導入これでいいのか?え?結構評判よかったの?」 「ブラトレ?あー、もしかしてトレセンTVの差し金?」 「いや、それとは別件。いや前にメト〇イド最新作やってたじゃん。TVの範囲で終わっちゃったから途中で切り上げになったけどその後どう?」 「……頑張ってクリアした」 「おおー。どうだった?」 「いや怖い!楽しかったけどめちゃ怖かったんだ!ああいうシリーズなの!?」 「あそこまで恐怖体験!って感じのシリーズじゃあないんだけどねー。…っていうわけで」 「え?」 「せっかくなんで2Dメト〇イドを全部やってみましょーっていう。ついでに好評だったら別のゲームもだらだら遊んでいくよっていう企画」 「成……程……?」 「題してブラマルのんびりゲーム実況ってやつだー。イエーイ」 「イ、イエーイ?これ大丈夫?あっちと収録かぶって忙しくなりすぎない?」 「まあ大丈夫っしょー。さて今回やるのはー?これー。メト〇イドゼロミッション。初代リメイク!遊びやすくなったぞ!」 「えっこういうのって初代そのものからやり始めるんじゃないの?」 「あーそれなあ……フクトレと相談したんだが、操作性とか諸々考えてやりやすいほうがいいだろってなった」 「なるほどねえ……ちなみにそのWi〇Uは?」「俺の私物」「ええ……」 ~~~~~~~~~~~~大体3時間目くらい~~~~~~~~~~~~ 「み゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛離゛れ゛て゛離゛れ゛て゛離゛れ゛て゛!゛」 「ビーム撃てビーム!あっ違うボムだ! 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛体゛力゛が゛ひ゛ど゛い゛こ゛と゛に゛!゛あ゛っ゛毒゛液゛ぎ゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!゛」 「ああああああ耳ィィィィィ!」 148二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 12 02 58 ~~~~~~~~~~~大体5時間目くらい~~~~~~~~~~~~~ 「終わったなあ。感想どう?」 「フリーエイム無いの地味につらい!あとメト〇イドめっちゃ怖いんだけど!?」 「マイクがお釈迦にならなかったのはEMMIさんに感謝だな……」 「あーでもシンプルに遊びやすかったね。ボスそんなに強くなかったから助かる」 「いやまあ初手ドレッドしたから余計そう思うだろうなあ」 「ドレッドは何十回GAMEOVERしたか覚えてないからねぇ」 「ちなみにこのころのはかなり自由に攻略順決められるからリドの字からぶちのめしてもいけるぞ」 「嘘ぉ……」 「ま、それくらい自由だけどある程度導線がしっかりしてるのはいいところだな」 「そうねー、誘導少ないけどあんまり迷わなかったし」 「ギリギリまで縛るとアイテムもほぼ取らずにクリアできるのがこのシリーズのいいところだな」 「まあそれすると滅茶苦茶大変だけど!」 「ま、そんなところかな。楽しめたみたいで何よりだ」 「うん、これ結構好きなシリーズかも」 「んじゃあ次回作のリターンズもやってみようそうしよう。…ところで、リメイク版がいい?原作版がいい?」 「どういうことで?」 「いやほら、撮影機器的な意味で」「ああー……」 「というわけで次回もよろしくぅ。あ、トレーナーTVと違って不定期だからなー」 ページトップ おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part228【TSトレ】 ≫11二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 14 50 01 三人の酒宴 夜、ファイトレの部屋にて 予定が合った私ことファイトレとドベトレとカフェトレ(ケツ)で飲み会をしていた。 最初こそ落ち着いて呑んでいた三人だが、私がファインの家から届いたバーボン等を開けてから、酔いまくった結果 カフェトレは気に入ったのか注いで割らずに飲み、ドベトレは甘えるようになった。 「えへへ~ふぁいとれしゃん…」 ポワポワした顔で名前を呼んでくるドベトレ。正直かわいいと思いつつ頭を撫で、カフェトレに話しかける。 「カフェトレ」 「ん…なんだい?」 アルコールが入ったお陰で敬語が崩れてきているカフェトレに、 「注いであげるからグラスをこっちに。」 「おお、ありがとう。美味しいなこの酒…」 「あちらから送られてきた年代物だからね、割と高価なものだよ。」 「それにしては5本以上あるみたいだが。」 「宴会とかで出してもらうつもりなんだろうね…度数高めだから大量にあっても潰れる人多いと思うけど」 「あ〜わたしにもちょうだい〜」 「…分かったから少し待ってね」 そう言った後に水で割ったそれを渡す。ドベトレはそれを一息に飲み干した。 「おいしい〜」 「そうだね、ゆっくり飲もうか」 「…親みたいだな」 ボソリと呟いたカフェトレのそれに思わずクスッと笑ってしまう。 「…可笑しいのか?」 「いや、そう言われたことはあまりなかったものでね。」 「あなたが世話をやいたり手助けする姿を見るとな、そう見えなくはない。ちょうど今みたいに」 「はははっ、ほっとけないだけだよ。助けないことの方が多いからね」 「あれだけ手伝いを頼まれといてそんな訳はないな」 「ふぁいとれしゃんは〜いつもてつだってるすがたをみるよ〜」 12二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 14 50 29 二人から押される、反論しようかと思ったがやめて 「…そうだね、君たちもだけど」 二人はアルコールで赤い顔を更に赤くした 「!…そうかな」 「えへへ~」 「さて、まだあるし飲もうか、時間は忘れていいからね」 あれから更に数本を空にして、一時間以上たった後、やはり酔いがまわったのか二人とも夢の世界に旅立っていた。 後片付をしつつ、眠る二人を送ろうかと思ったが、幸せそうに眠る顔を見るとその気も失せてしまった。 あまり使っていないシーツを取り出してかける。 「今日くらいなら構わないよ」 聞いているはずもないが言っておく。 (さて、残りは飲みきっておこうかな) 残った瓶を片手に座る、隣には二人が眠る。 ーーーそのまま夜は飲み明かしたのだった ≫23二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 15 03 28 相合傘 「私とした事が…失敗したな。」 一通りのトレーニングを終え、帰ろうとした矢先、 雨が降り出してしまった。 「たまたま会った ナカヤマフェスタとか言うウマ娘に、 今日は降らないと聞いていたのだが…」 どうしたものかと考えていると、 「ん?どうしたんだ?マーチ。」 「お、トレーナーか丁度いいところに。 実は傘を忘れて来てしまってな、 どうしたものかと悩んでいたんだ。」 「…それなら」 トレーナーは折り畳み傘を渡して来た。 「これを使って帰るといい。 俺は走って帰るから。」 「でもそれじゃ、お前が濡れてしまうだろう。」 「いいからいいから、気にすんな。 そんじゃ、また明日な。」 そう言って走って帰ろうとするトレーナーの 「まて」 腕を掴んで引き止めた。 24二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 15 04 08 「うわっ、ど、どうしたんだマーチ?」 「一緒に使って帰るぞ。」 「え?」 「2人で濡れずに帰れる、その方がいいだろ。」 「…いや、大丈夫だって。 走って帰れる距離だし、 俺バカだから風邪とか引かないし…」 「貴様がそのまま帰るつもりなら 私も差さずに帰る。それでもいいのか?」 「…それはずるいぞマーチ…」 「何とでも言え、さっさと行くぞ。」 帰り道 慣れない事で恥ずかしいのか 顔を僅かに赤くしているマーチトレと、 少し嬉しそうに尻尾を振っている フジマサマーチがいたらしい。 ≫30二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 15 22 52 「うーん。中々良い感じに撮れないなぁ……? やっぱり私じゃ、お姉ちゃんに手伝ってもらわないとだめなのかな……」パシャパシャ 「……なあ、カレトレ」 「あ、お兄ちゃん! なーに♡ もしかして、私の顔が見たくなっちゃった? なんて♪」 「カレンチャンはどこに?」 「……お姉ちゃんは、しばらく部屋で一人にしてほしいって。何か嫌なことがあったみたいなの。私も、何かしてあげられたらいいんだけど……。でもでも、お姉ちゃんはきっと大丈夫だよ! 昔からお姉ちゃんは一人で何でも出来ちゃうんだもん!」 「……そうか」 「ねえお兄ちゃん……。もしかして私、何かしちゃったのかなぁ。お姉ちゃん最近変なんだよ? だって──」 「……カレトレ」 「私のこと、急にお兄ちゃんなんて言うんだもん。私はずっとお姉ちゃんの妹だったのに……」 「…………」 「それでね! カワイイ写真を撮れば、お姉ちゃんも喜んでくれるかなって思ったんだけど、やっぱり私だけだと上手に撮れないの! もしよかったらなんだけど、その……、お兄ちゃんにも手伝って貰えると嬉しいかな……」 「そうだな……。よし分かった。手伝うよ、カレトレ」 「ほんと! えへへ……、お兄ちゃんだーいすき! ……なんちゃって♪」 「…………」 「お兄ちゃん、大丈夫? さっきから様子が変だよ……? すぐ黙り込んじゃうし……」 「いや、なんでもない。なんでもないんだ、カレトレ」 「ほんとかな―? 無理しちゃ駄目だよ? お兄ちゃん、昔からいっつも自分一人で抱え込んじゃうんだもん」 「…………なあ、カレトレ。俺の名前、ちゃんと覚えてるか?」 「うん? お兄ちゃんはお兄ちゃんでしょ?」 「…………」 「ほら、また黙り込んじゃった」 「…………そうだな。じゃあ撮るからな、カレトレ」 「うん! お兄ちゃんありがと♪ じゃあカワイく撮ってね♡」 うまぴょいうまぴょい こんな感じ? でもこれ記憶喪失っていうか記憶汚染だな ≫46二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 15 56 58 いま頑張って書いたけどちょっとこれ以上は思いつかないっす うーん……あ、クリークおはよう。 ああ、これ?部屋で資料探してたら出てきたんだけど、不思議なんだ。 アルバムみたいなんだけど、どこにも僕がいないんだ。 ……ううん、僕どころか、ウマ娘が家族らしく写ってもいないんだ。 ほら、僕ってすごくクリークに似てるでしょ? だからもしこれが僕に関する誰かのアルバムなら、すぐわかると思うんだけど……うーん。 このアルバムの本当の持ち主が見つかったら、返してあげなきゃね。 それにしても、不思議な家族だよね。お父さんとお母さんが二人ずつ、なんて。 途中で一人ずついなくなっちゃうのは、きっと。そういうこと、なのかな。 真ん中のこの男の子、辛かっただろうね。 でもその後の写真を見ると、とっても元気そうなんだ。ちゃんと四人ぶんの愛情をいっぱい受けて育ったんだね。 ねえ、クリーク。 上手く思い出せないんだけどさ……僕のお父さんとお母さんって、どんな人たちなんだろうね。 分からないときは昨夜のSSをチェック!(ダイマ) ページトップ おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part229【TSトレ】 ≫54二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 18 12 08 「…トレーナー、なにそれ」 「ん…これ?トレーナー室に置いてあってさ、膝に乗せとくと落ち着くしこんなふうに抱っこすると暖かいんだ」 「ふーん…なんでそんなやつ…」 「ふふ…愛嬌があって可愛いね…テイオーも抱っこする?」(小首傾げ上目遣い) 「うっ…いや…そいつじゃなくて…トレーナーを…(小声)」 「そうか?可愛いのに…ね」 「あっこいつ!ボクを見て勝ち誇ったように笑った!トレーナーそいつ貸してよ!燃やしてやる!」 ≫58二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 18 15 15 クレーンゲーム前 「フジーこれ可愛くない?」 「確かに。ポニーちゃん達の中に欲しい子がいたらプレゼントしてあげようかな」 「おーけー。おじさんがんばっちゃうよー」 ≫66二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 18 25 49 「う〜ん、なんでしょうか……」 「あら、トレーナーさんどうかされましたか?」 「あぁグラス、良いところに」 「……龍? ……の、ぬいぐるみですか?」 「蟷螂獅子龍……との事ですが……巷では流行っているのでしょうか?」 「いえ、見ないですね〜……貰い物ですか?」 「トレーナー室に来たら置いてあってね」 「そうなんですか?」 「グラスも誰が置いたか心当たりは無し……と?」 「はい、そうですね」 「…………ふむ」 「……? トレーナーさん? 短刀なんか取り出してどうするんですか?」 「仮にも女子校だからね……盗撮や盗聴の疑いが無いか調べないと……」 「……そうですね……中身を確認しておかないといけませんね」 「では…………えっ!?」 「ぬ、ぬいぐるみが逃げましたよ!?」 「お……お、追うぞグラス!!」 「はっ、はい!!」 残念ながら見失ったとさ…… ≫74キングの人21/10/14(木) 18 31 44 「なあキング、クレーンゲームの中にぱかぷちと一緒にこんなんあったから取ってみたんだけど。」 「何かしらこのデザイン、龍のような身体だけど頭が獅子で腕がカマキリみたいね。」 「あ、製造業者の名前乗ってる、えー・・・と。」 「・・・お母さまぁぁぁぁぁぁ!?」 それはそれとして自分のぱかぷちを抱きしめているトレーナーに相変わらずキングの自信以外の何かが壊れた ≫75二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 18 32 35 では 昼過ぎからぽつぽつと降り出した雨は、トレーニング終了1時間前から突如滝のような雨に変わった。 「雨が強くなってきたし、さすがにトレーニングは終わりにしよう」 走っているヒシアマゾンに、ゴールと書かれた看板を傘にしながら声をかける。 (ピカッ……ゴロゴロゴロ……!!) 「うわあっ!?」 「ひゃあっ!?」 声を上げ、トレーナー室へ走る。 「いや~、びしょぬれだな」 ぬれねずみになった相手を見て、互いに笑みがこぼれる。 「着替えはあったはずだから、シャワー浴びてきなよ」 「トレ公だってずぶ濡れじゃないか、アンタが先に……」 「いいから、ヒシアマが早く出れば俺も早く浴びれるんだから」 無理やりシャワー室へ押し込む。着替えはこっちに……、彼女の着換えはあったが俺の服がない。 ウマ娘になる前の服はあるがさすがにでかすぎる。そのうえ、下着がない。 そうしているうちに、彼女が戻ってきた。 「ほら、早くあったまってきな」 「どうしよ、ヒシアマ。俺の着換えがない」 「……アタシのジャージ着るかい?」 「そうする……」 76二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 18 32 53 窓の外は雨がざあざあと降り、時折雷が光っている。 「あと1時間ぐらいで、小雨になるって。それまでここで雨宿りしよう」 ノートパソコンを取り出す。明日やるはずの書類を、この時間に終わらせよう。 画面と向き合って数分、ふと顔を上げると、彼女はウロウロとして手持無沙汰なようだった。 「そうだ、ヒシアマ。料理本があるけど読む? 俺が初めて買ったやつなんだ。」 昨夜懐かしくなって鞄に入れていたことを思い出す。 「小説に出てきた料理を再現するってやつなんだけど」 「へぇ、アンタが……。面白そうだね」 本を受け取った彼女は、ソファに座る。 ──閃光が落ちる。直後どぉーんと腹に響く音が鳴る。 「「うひゃあ!?」」 慌てて窓のそばの机から離れて、ノーパソを持ったまま彼女のとなりの座る。 「相変わらず、雷苦手なんだな」 「そういうアンタだって。前は平気だったろ」 「耳が良くなったからさ、急に大きい音が鳴るとね……」 キーボードを打つ音と本をめくる音が流れる中、2人の時間は過ぎていった。 ≫81二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 18 42 44 「おい、トレーナー。何だこのぬいぐるみ」 「なんだろうなこれ。よくわからんがいつの間にか流行ってるやつだ」 「……不思議なオーラを感じる」 「奇遇だな、俺も感じる。でもなんかネイトレさんがせっかくだからあげましょうかって言われちゃねえ」 「……もふもふはしているな」 「案外悪いもんじゃないのかな……?とりあえず綺麗にはしておこう、っておーいブライアン、もふもふから戻ってこーい」 ≫85二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 18 50 43 (ケツカフェです) 「おはようございますカフェ……なんですかそれ」 「……昨日クレーンゲームで取りました」 「……」 「……」 ソンナニミナイデー 「……愛嬌ある顔してますね」 「……トレーナーさんも……そう思いますか?」 「……」 「……」 アナガアイチャウー ≫89二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 18 58 23 「おはようございますマックイーン、今日もいい天気ですわね」 「ええ、おはようございますトレーナーさん。そうそう、こちらをご覧くださいまし!」 「へえ、何が────ッ!?」 「トレーナーさん?」 ≫90二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 18 58 34 「ルドルフー、なんか取れたよ」 そう言いながらトレーナー君が持ってきたのは……どことなく殺意と自省を抱かざるを得ない風体の……竜だろうか?そんなぬいぐるみだった。 「トレーナー君、これは?」 「カマキリライオンドラゴンだって、なんだろうね?」 そのゆるい顔とふわふわした鬣が気に入ったのか、胸の辺りで抱き締められているそれは、どことなく反省を促しているように思える。 「……少し私にも触らせてくれ」 「いいよー」 そう手渡されると突然景色が変わる。いや、これは幻覚だろうか? その空間はピンク色の空、白い草、そして大きな龍があった。 『……トレーナーいいよね……』 「……言いたいことはわかる。だが……」 "彼女は私のものだ。ただ、抱きしめられたまま寝る権利は赦そう"と続けると、その龍は笑顔になる。……いいのだろうか、それで。 そして意識が戻ると、先程と10秒も変わっていなかった。 「……ルドルフ?どうしたの?」 「……ああ、問題ない。少し疲れていたようだ。抱きしめているとついつい気持ちよくなってしまった……」 ふと、龍の顔を見ると"自制心ついたな"と言ってるような気がした。 ≫95二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 19 01 34 「あら~?トレーナーさん、この子はどうしたんですか~?」 「あ、その子はね、福引の景品で貰ってきたんだ」 モラワレター 「そうなんですね~。名前はなんていうんでしょう~」 「えっとタグに書いてあるはず……カマ、ライ、ゴン?」 「う~ん……聞いたことがありませんね~」 「クリークも?うーん、でも一人ぼっちは寂しいだろうしな……」 トモダチホシイ 「それじゃあ、以前取ったぱかプチの子たちに、お友達になってもらいましょう~!」 「おー!賛成!早速いい感じの子を探しに行こっか!」 イッショニサガスー ≫103二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 19 08 12 「トレーナー、これ何か知ってる?」 「何それベガ、なんのキマイラ?闇文明のクリーチャー?」 「文明?く、クリーチャー?いや、なんかオペラオーが渡してきた……」 「よくわからんけど妙な可愛さがあるわね。あとアルは気に入ってるみたいだよ」 「ううーん……?ま、まあそれならトレーナーに渡しておこうかしら」 「そう、ありがとね」 「……どうして頭の上に?」 「なんとなくこうした方がいい気がした」 タカイタカーイ 「…‥なんか喋ってない?」 「気のせいでしょ?」キノセイダヨー ≫107二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 19 10 40 「なんか変なぬいぐるみを手に入れてしまった… 流石にマーチにあげるのもなぁ。」 「!トレーナー! その小脇に抱えているぬいぐるみは、一体どうしたんだ!」 「え?これか? なんか暇つぶしにクレーンゲームやってたら取れてな。 見た目もよくわからんし飾っとくのも…」 「欲しい!トレーナー! そのぬいぐるみ私にくれないか?」 「…え、これ?いいけどもっと良いのが…」 「いや、これが欲しい!」 「そ、そうか…ならほら。」 「感謝するぞ!トレーナー!」 「………あれそんな人気なものなのか?」 ≫111ドベトレとスペトレの人21/10/14(木) 19 16 11 ドベトレ「キモッ!!!!」ヌイグルミポイー ドーベル「兄さん!!(半ギレ)」ドゴォ ドーベル「可愛いっていいなさい。」 ドベトレ「カワイイ。……やっぱキモイわ……」 ドーベル「兄さん!!(全ギレ)」ボコォ ≫116二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 19 23 17 「...!ブルボン、それは?」 「これでしょうか?このぬいぐるみは先程商店街の福引で取得した最近流行しているカマライゴンぬいぐるみです、マスター」 「ぬいぐるみ、ですか...」ソウダヨー (前に何処かで見たような...) 「・・・」スッ 「?どうかなさいましたか?拳を突き出して」 「いえ、何でもないです。良かったですね」 「はい、マスター。今日からウサギと共に留守番を任せます」 (多分気のせいです。ただのぬいぐるみですよね) ...アブナカッタ ≫117二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 19 23 38 タマトレ「うーん?」 タマ「トレーナー?どうしたんや?」 タマトレ「さっき大学の同期から荷物届いてな...」 \メカカマドラゴン/\カマドラゴン/\アコウカマシシサイ/ タマトレ「自衛隊のマスコット候補だって...」 タマ「かわええ...トレーナー?要らないなら貰ってええか?」✨✨ あんなに目を輝かせて...kawaii タマトレ「ああ、いいぞ可愛がってやれよ」 タマ「おおきにな!トレーナー!」 (かわいいか?) ≫119二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 19 25 49 「見て、ヒシアマ!これ可愛い!」ドヤァ 「あっ、ここほつれてる……」 「ほら、ちょっと貸しな!チャチャッと直してやるよ」 「ありがとう」アリガトウ ≫135二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 19 41 01 DK組カマライゴン 「なんだこのぬいぐるみ…」 「カマライゴン…へー…可愛い」 「いやめっちゃ腹立ちますわ」顔面横に引っ張る ノビルー 「すげぇ伸びるなこいつ…」 「感心してんなフクトレ!やめろ何でそんな事すんだ!」 「私の魂がこいつの存在を許しませんの…」 「ブライアンとかは地味に気に入りそうだが…俺は分からん」 「なんで!よく見てみろこの鎌みたいなの!柔らかくて可愛いじゃんか!」 「ふーん…確かによく見てみると…やっぱりクソ腹立ちますわこいつ」両方の鎌を握ってぐるぐる回す メガマワルー 「やめろ!やめて!いじめるな!」 「なんでテイトレはそんなにこいつ気に入ってんだ…」 ≫147ロブトレヒロイン概念21/10/14(木) 19 55 03 ロブトレとカマライゴン 机の上に置かれたカマライゴン ロブトレ「……」 キョロキョロ ドシタノー スーッ……キョロキョロ……スッ……ギュッ ワー モフ、モフ…… キモチイー ロブトレ「……可愛いですね……」 ロブロイ「こんにちは、トレーナーさん」 「!!」後ろに隠すロブトレ ロブロイ「あの……どうしたのですか、トレーナーさん?」 ロブトレ「いえ、なんでもありませんよ、フフ」 ロブロイ「?そうですか?その……トレーナーさん、ここに置いてあったぬいぐるみ……その、知りませんか?」 ロブトレ「え、ぬいぐるみ、ですか?」 ロブロイ「はい……その、ライスさんと一緒にUFOキャッチャーでとったんです」 ロブトレ「あ、そうだったのですね……もしかして、これのこと、でしょうか?」 ココダヨー ロブロイ「あ、この子です!ふふ、なんだか独特のデザインで可愛いですよね」 ロブトレ「ふふ、ええ、そうですね、とてもかわいらしいですね」 ロブロイ「あの……なんでトレーナーさんが持っていたのですか?」 ロブトレ「いえ、その……私も、この子がかわいく思えて、先ほどまで、抱きしめていたのですよ」 ロブロイ「あ、そうだったんですね、フフ……なら、トレーナーさん、どうぞ」 ロブトレ「え、いいのですか?」 ロブロイ「はい、どうぞ、受け取ってください」 ロブトレ「ええ、ありがとうございます、ロブロイ……」モフ、モフ…… ロブロイ「ふふ、トレーナーさんが喜んでくれてうれしいです」 その後、二人でカマライゴンをなでなでしていたのでした。 (ロブトレこそこそ噂話。ウマ娘になる前から可愛いものが好きです。でも恥ずかしくてなかなか明かせないままでいたのでした) ≫170二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 20 03 42 彼女が選ぶもの あくる日、キタトレの部屋にて 私キタトレは話をしていた。 「さて質問もないみたいだし、とりあえずこれで解散ね。一旦自分の部屋に戻ってもらうわ。」 「「「はい(!)」」」 チームに入る際の説明を終えて、出ていく三人を見送った私は椅子に座り端末を叩く。 キタは気になったのか問いかけてきた。俺も答える。 「ねえ、トレーナーさん。なんであの三人を選んだの?他にもたくさん来てたのに」 「ああ、それか。なんでだと思う?」 「う~ん、ステイヤーだけのチームの穴を埋めるため?」 「違うな、確かに穴はふさがったけど結果的なものだよ」 「え、・・・分かんない。教えてトレーナーさん!」 「そうだな、主に二つある。一つ目は俺のウマソウルがピンときたから」 「どうやら一部の子に反応するみたいでな、巷で言われてる不思議な感覚って奴かな」 「そうなんだ、私がバクシンオー先輩に感じる縁みたいなものなのかな?」 「それだな、あともう一つの理由は俺の近くにいてほしいからだ」 「例えばセラタプラタちゃん、スプリンターの彼女は恐らく右足に爆弾がある。」 ———ええと、よろしくお願いします?トレーナーさん。 少しおどおどしてる彼女を思い出しながら話す。 「面接の時に歩いてもらったけど、ほんの僅かだけど右の踏み込みが弱いんだ」 「おそらく無意識に右をかばっているんだろう。立ち振る舞い的にも分かりにくいはずだ」 「後で彼女の身体データや彼女の友人から話を聞いたけど、やっぱりだったよ。」 「いつも細かいところまで見てますよね、トレーナーさん。」 「そういうものだよ、次はクリスタルスチルちゃん」 171二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 20 04 30 ———よろしく、トレーナー。 寡黙で冷たい彼女を振り返りつつ話す。 「マイラーの彼女はサトトレと同じで不器用な子だね、あまり他人を信用できてない」 「クラスで浮いてたりするのは担当している教員の方から聞けたよ」 「経歴と反応からするに原因は恐らく昔のいじめかな、親しい人相手なら話すみたいだし」 「そういえば、面接の時にスチルちゃんは私に喋りかけてこなかったね・・・」 「そういうことだろうさ、最後はアイネスワールドちゃん。」 ———よろしくお願いしてもいいですか、トレーナーさん。 自信なさげに聞いてくる彼女を思い返して話す。 「彼女は地方から上がってきたけど、結果が出なくて苦しんでる子だ。」 「ここまでなら仕方ないとはいえよくある話だけど、彼女は違う」 「地方でのレースを集めてきたけど、彼女は本来ダートが向いてるんだ」 「地方では負けなしだったから気づかなかったし、そのせいで芝を走ってる」 「足の踏みしめ方とかを考えれば、ダートで練習させれば強くなれるはずだ。」 「そんなに気づかれないものなんですね。」「意外とあり得るんだ、適性が分からないのは」 「とまあ、長々と説明したけど、彼女らをチームに入れるのは、三人とも俺が近くで見続けないとまずいからなんだ。」 「練習ならいくらでも、なんならついてあげなくてもできる。だけどこの子たちは誰かがみてやらないと破綻するんだ。それが彼女達を入れた理由かな」 「そうだったんですね・・・ってちょっと待って。」 「それじゃあトレーナーさんが最近キタトレさんとのお茶会やウラトレさんのお見舞いに行ったり、職員会議や学園のあちこちに行ってたのって」 「全部彼女達のためでもあるよ。故障を避けるトレーニングや彼女たちのメンタルケア、 トレーニング器具や場所の調整とかを相談したり交渉してきた」 「交渉はトレーナーになってから相手方とずっと交流してきたから楽だったよ」 「そんなにしてたんですか・・・?」 「いいか、キタ。折角だから言うけど俺は手段を選ぶ気はない。コネも、金も、経験もすべて担当のために使い潰してなんぼだと思ってるんだ。それが俺、トレーナーなんだ。」 172二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 20 05 06 「だから俺は例えどんな娘でも見捨てない、最後まで手放したりはしない。」 「俺は生きている間はトレーナーを続けるつもりだからね。まだまだすることばかりだよ。」 「さて、長くなったな、そろそろ夕食を食べようか。」「はーい!」 ———その後、キタトレが率いるチーム「プロキオン」は学園でもトップのチームになっていくがそれは別のお話。 駄文長文失礼しました キタトレが筆が乗って書いてるうちに有能以上の何かとなってます。 数十年後には第二のウラトレかじじぴになってそう。 ページトップ おれバカだから言うっちまうけどよぉ…part230【TSトレ】 ≫28二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 20 22 09 前回までのあらすじ・トレーナーさんをあたしにください。 頭を下げてから10秒以上、タブレットの向こうから応答はない。すぐ横からはトレーナーさんが堪えるようにすすり泣く声が聞こえる。 トレーナーさんをください。内なる声に後押しされて勢いでここまで言っちゃったけど、諸々の過程をワープしちゃった気がする。……待って、このままだと頭が冷静になってっちゃう。早く誰でもいいから声をかけてほしい。 『……どーしよっか?』 困ったような、でもにやけた声でおふくろさんが親父さんに尋ねる。親父さんはこれにも応えずにずっと黙っている。……多分、まだ頭を下げてなきゃいけないんだと思う。 『……そのままで聞いて』 ようやく親父さんが落ち着いた低い声で話し始めた。ぐ、姿勢キープとは。 『……うちの娘を想ってくれているのはわかりました。一朝一夕の気持ちでないこともわかりました』 「……はい」 こんな時に先生にならんでもええがんに、というおふくろさんの嘆く声を気にかけることなく親父さんは続ける。 『うちの娘が似た気持ちなのも、見て分かります』 「……うん。同じ気持ち」 トレーナーさんがぐずりながら肯定してくれた。……ありがとうトレーナーさん。それだけで言ってよかったと思えた。 『……顔を上げて』 ようやく許しを得て親父さんの顔を見上げた。瞬間、頭を下げていればよかったと後悔した。 ……落ち着いた声色からは想像もできないほど険しい表情がそこにあったから。 『それでも貴方は非常に若い。男も、女も、社会も、知らない事がまだ多いはず』 「……」 『大人になっていくと同時に薄れていく気持ちかもしれない。飽きてよそに移るのでは、そのときどれだけ娘が傷つくだろう、という不安が今とても大きい』 「そんなことありま『懸念の話』」 有無を言わさない態度だった。 ……こんなの小学生だって分かる。親父さんは認めなかった。あたしは親父さんに認めてもらうことができなかった。じわじわと頭が重く感じられる。うつむいていく自分を止められない。 「駆け落ち」という単語がなぜか頭をよぎった。もうレース出れなくなっちゃうかな……。トレーナーさんはついてきてくれるかな……。 『……ま、どんな男の人連れてきても同じような事言ってたと思うけどね。このお父さんは』 29二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 20 22 27 おふくろさんが入れた茶々からまたしばらく沈黙が続いた。 …… ……え?この止まった時間はなに?思わずまた顔をあげると画面の向こうに。 『……』 『……♪』 もうどうにでもなれといった投げやりな顔をした親父さんと、ムードメーカーというかムードブレイカーを満喫してる笑顔のおふくろさんがいた。ピースサインまでこっちに向けてくる。 『……続けていい?』 「あ、お願いします……」 緊張感を再演出する気力は親父さんにも残ってなかったみたい。あんなに怖かったのに、今はほんの少しだけ同情します。 『……君の横にいる子は我々の娘で、他に子はない。かわいい一人娘です』 「はい……」 『だから嫁ぐにせよ婿養子を取るにせよ……たとえ愛らしいお嬢さんだったとしても、娘を持っていこうという輩には一発くれようと思っている』 拳がゆっくりと握られていく。大きな拳。……わー、あたしあれで殴られるのかー……。 「……甘んじて受けます」 『ありがとう。たとえ君でも容赦しない』 『なーん気にせんといでね?いいとこデコピンやから』 真面目な雰囲気を徹底して破壊しにかかってくるおふくろさんに親父さんが渋い顔をしてる。……見覚えのある、トレーナーさんが重なるようなどこか懐かしい表情だった。 『……それで、お前がそんなことでどうする。お前のが年長者だろ』 親父さんがまだ少しぐずぐずしてるトレーナーさんへと説教の狙いを変えた。おずおずと前に出ていくトレーナーさん。 「……はい。そう、そうです」 『ただでさえ茨の道だ。お前がその子を守れないんなら、その子の親は絶対に一緒になることを許さんと思う』 「……はい」 『だから、せめて泣くな』 「……はいっ!」 ようやくトレーナーさんが泣き止んだ。涙をぬぐって、すこしだけキリっとした表情になったのがちょっとだけ頼もしく思えた。 30二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 20 22 42 『……しかしよく泣いたな。そんなに泣くほど嬉しかったのか』 「はい……うん。……どうお父さん」 「うわわっ!?」 トレーナーさんが横によけていたあたしの肩を引っ張って、画面内に再登場させた。 「私のお嫁さん。……すごくかっこよくない?」 『……ぶっ飛ばしたくなるほどかわいいな。ちょっとこっちに寄こしてくれ』 「えー?あげない」 あたしを自分の方に抱き寄せるトレーナーさん。そして親父さん、やっぱ本気で殴ろうとしてるよね。 『その子はお前のもんじゃない。お前がその子のもんなんだ。勘違いするな』 「……はい」 『……ナイスネイチャさん?』 「は、はい!」 親父さんに呼ばれてタブレットの前で改めて正座する。 『……娘をよろしくお願いします、とは言いません』 「……はい」 『ただ、温泉旅行楽しみにしてます』 「! はい!」 『出会った際は覚悟していてください』 強く深い、漆黒の眼光から「絶対に殴る」って意志を見せて親父さんは画面外に立ち去っていった。……これが普通の親?なのかもしれない。いやどうなんだろう。 31二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 20 22 53 『……じゃ。もうこの辺で切る?』 おふくろさんが大きく伸びをして欠伸をする。 「え、もうなの?お母さん」 『いっぱい話したいことあったけど、あとは温泉でね?大体電話してくんの遅いんよー。「ウマ娘になったー」の報告から何ヵ月経ったぁ思ってんの?』 「……ごめんなさい」 『あと母さんらもう眠くなっちゃったから』 「でも、こっちもまだ話したいことが」 『なんけ?「ダースベイダーのテーマ」の話する?』 「ごめんなさい!……うん、じゃあ長いこと付き合わせちゃってごめんね」 『はいはい。じゃあ次は温泉でいっぱいねー。ジスラー。あ、ネイちゃんもまたねー』 「え、はい!またよろしくお願いします!」 「はーい温泉でね!ジスラー!」 怒涛の親子のやり取りであたしはろくに口をはさむ暇もなかった。あたしも色々聞きたかったのに、というか本当に今のはなんだ。 「あの、トレーナーさん」 「……ダースベイダー以外でね」 「えええ……じゃあ、『ジスラー』ってなに?」 「……ジス・レヴィード、略してジスラ。エスペラント語で『さよなら』って意味だよ」 「ジスレビー、え?」 「私もそれ一つしか知らない。それしか教えてもらってないから……ふふ」 ……おふくろさん、日本人じゃなくてエスペラント人なの?普通の両親って事前に聞いていたんですけど?でもいたずらっぽく笑うトレーナーさんを見て急に力が抜けてきた。 32二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 20 23 06 「あはは、なんかもう、体力一桁って感じ……」 「……おつかれネイチャ」 トレーナーさんが正面から抱きしめてくれる。……あれ、さっきもそうだったけど、もしかしてトレーナーさんから抱きしめてくれるのって初めてかも。 「かっこよかった。ほんとかっこよかった。……でもね、ちゃんと言おうとしてたんだよ」 「……何をー?」 「お父さんに。ネイチャが『あたしです!』って言う前に。……私がこの子を選びましたーって。一緒に温泉旅行に連れていきたいのはそういうことなんですーって」 「じゃあセリフ横取りしちゃってたんだ。でもほら、まずは外堀から埋めようと思いまして」 「本丸と同時攻略じゃん……」 「徹底した効率プレイやっちゃったかなー。……それで隊長、本丸は落ちましたか?」 口がすべるままにふざけているとさらに強く抱きしめられる。いつかに感じたときと同じくらい早いトレーナーさんの鼓動。そしてトレーナーさんの胸を通じて、自分の鼓動もやっぱり同じくらい早いのが分かる。 「うん。落ちちゃった」 ……耳元でささやかれた声に全身が震えた。 33二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 20 23 20 ……私、多分これからも真面目だと思う。 本当に?……まぁ、そうだと思ってるけど。 そんなにイチャイチャできないよ? そんなこったろうとネイチャさんも思ってるし。なんならそれはウソになると思う。 ……そっか。そうかも。 よっしゃ。 ……あと、あんまりおいしいご飯作れない。 そこはあたしの得意分野だし。 よかった。じゃあお願いします。 うむ。でも少ーしずつ覚えてってもらうからね? ……私の一番はネイチャだけどさ。 おおう!?おう……はい、ネイチャだけどさ? ……ネイチャの一番は私?……痛い!痛い!え、なんでチョップ!? 一番じゃ!ない人の親に!くださいとかいうか!!バカ!!! 痛い!ごめん!ごめんなさい!! ……ほんのちょっとのろけたかっただけなんです。 なんなの?面倒くさいのに素直とかあざとかわいいに振り過ぎじゃない? ……。 ……トレーナーさんが一番です。 ……ふふ♪ こいつっ……! いいのいいの。今日は時間が許す限り甘えようって決めたから。 こっちはしょっちゅう甘えられてる気してるんですけどね?まぁ時間が許す限り── 34二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 20 23 32 時計「……どうかお気になさらず」 「……門限!!!」 「え!?あ、ほんとだもうこんな時間!!?」 に゛ゃーーー!!なんで口にしちゃったんだあたしの間抜け!! 「ネイチャもつくづく真面目さんだねぇ……甘えタイム早くも終了かぁ」 「なんでそんな切替え早いのぉ……うぅ、くぅぅ……!」 「ウソ泣きなんて器用な真似、ネイチャにだってできないんだから。ほら帰る準備準備」 「うぅぅ!いやーー!あたしもう動けないし寮に帰らない~ぃ~~!!」 「……そうだね。ネイチャも今日はへとへとだろうし」 「え、ウソ!?いいの?」 やった!トレーナーさんマジちょろかわ!!大好き!! 「栗東寮長のフジキセキさん、お迎えに来てもらえないか連絡するね」 「トレーナーさんのいけずー!」 「駄々こねないの。途中までなら私が抱えていってあげるから」 「……おんぶで?それともお姫様抱っこ?」 「俵担ぎで?」 「お米様抱っこはいやーーー!!!」 どこまでも大きな一歩を踏み出したはずなのに、あたしとトレーナーさんのバカみたいなやり取りは止まる気配がなかった。 ──ちなみにこのあと予定通り行われたダストレさんとのペアインタビューでさ、無事配信に乗っちゃったうちのトレーナーさんの奇行があったじゃん?これのせいで親父さんから怒りのTV電話が飛んできた話は……うん。なかったことにしよっか。 (続) ≫44二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 20 29 18 すこしだけ幕間 ■お持ち帰りされるネイチャ 「ポニーちゃん。そろそろ顔を隠すのはやめたらどうだい」 「いえ……ちょっとフジさん相手でも見せられないっていうか」 「片手で顔を隠してる方がいかがわしく思えるんだけどね。トレーナーさんにしてもらうお姫様抱っこはそんなに恥ずかしかった?」 「あの人……俵担ぎとか言っておきながら、無茶しやがってぇ……」 「ははっ、こっちもお姫様抱っこで受け取ったときはさながら贈呈式のようだったよ……しかし」 「……なんでしょうか」 「いやいや、ちょっとだけとは言えネイチャから波動を感じてね」クンクン 「ひぃっ!?な、なにをぉっ!」 「……これはまた。つよいラブコメ臭だね」 「ラブコメ臭!?」 「しかし足腰が立たない、立ってるのもやっととなると……相当アダルトな方向に行ったかな?」 「違います!今日は全然そこまでには!……あ」 「……そうかそうか、『今日は』、かぁ!」 「聞かなかったことにしてくださいぃ……」 「うーんどうしようかな?」 「どうか、どうかお願いします!!」 寮までの道中からかわれ続けるネイチャさんでしたとさ。 うまぴょいうまぴょい ≫58無敗の終わり前編・大阪杯21/10/14(木) 20 38 04 大阪杯。阪神競馬場で行われる2000m内回り。中距離戦のスペシャリスト達が集う春の古バ戦線G1だ。春三冠という誰の成し遂げたことのないの偉業の一つ目の冠でもある。特に今回の大阪杯では世間を巻き込んだ盛り上がりを見せている。多くの有力古バ、クイーンマクレー、アマノガール、そして最強と名高いシンボリルドルフがこの仁川の地に名乗りをあげているのだ。有マでのマルゼンスキーの差し作戦の手伝いもしてくれた皇帝が最強の敵として立ちはだかる訳だ。 「マルゼンスキー。今回の大阪杯、小難しい作戦は無い」 「あら、そうなの?トレーナーちゃん」 「ルドトレの情報収集力と観察眼はトレーナーでも最高峰、あらゆる可能性を精査した上で勝ち筋をしっかりと掴んでくる。それにこっちが小細工を弄してもルドルフは冷静に対処して、処理してくるはずだ。"絶対の皇帝"と"伴侶"の名前は伊達じゃ無い。なら────」 「真っ正面からブットビね!」 マルゼンスキーが笑った。とても楽しそうなその笑みにこちらも気合が入る。 「そういうことだ。距離は2000。皐月賞の時と違ってもっと負荷の高いトレーニングメニューを組んである。開始したらマルゼンスキーは車で外出禁止」 「えぇー!」 マルゼンスキーが尻尾を持ち上げて驚いている。すまない必要なことなんだ。 「えぇーじゃないよダメだよ。それくらい疲労困憊になるって想定だからな?そんな状態で運転して事故でも起こしたら大変だろ。車乗らなくなって車検やってないから暫くはバイクの後部座席で我慢してくれ」 「わーい!ハネウマライダーね!トレーナーちゃんの後ろなら大歓迎よ!」 世に絶望したみたいな顔をちょっとしてたけど元気になってくれてよかった。運転で俺も事故を起こさないようにせねば。そんなわけでトレーニングが始まった。 60無敗の終わり前編・大阪杯21/10/14(木) 20 40 15 「トレーナーちゃんこれは?」 「坂路トレッドミル。理事長にお願いして改造してもらった。阪神競馬場再現の勾配にできるようになってるぞ」 「ちなみに周りの大量のマットは?」 「マルゼンスキーが吹っ飛んだ時に怪我しないようにと思って」「え?お姉さんそっちでブットビーしちゃうの?」「いや念のためだから」 流石のマルゼンスキーも長時間トレッドミルをやるとだいぶ疲れていた吹っ飛ばなかったのはマルゼンスキーの意地だろう。一旦ストレッチをして体を冷やさないように休憩を取り外へと出る。 「「「「「マルゼンスキー先輩! よろしくお願いします!」」」」」 そこには準備運動を終えているウマ娘、マルゼンスキーに憧れるルナナルカタカ以下五人のウマ娘がスタンバイしていた。彼女達には自分のトレーニングついでにマルゼンスキーのトレーニングを手伝ってもらうことになっている。どの子のトレーナーもマルゼンスキーと併走できるならと許可は二つ返事だった。 61無敗の終わり前編・大阪杯21/10/14(木) 20 40 50 「トレーナーちゃん?」 「ウッドチップ坂路併走五本❤︎」 限界まで体力を削っておいてのこれなのでちょっと申し訳なく思い可愛く言ってみた。 「わーい!楽しんでくるわね!(ヤケクソ)」 マルゼンスキーが五本連続で走るのをルナナルカタカ達五人がそれぞれ一本ずつ全力で行うことでカバーする。一走ごとにフォームの乱れを修正しながら疲労困憊で動けなくなくなっているマルゼンスキーの体にマッサージとストレッチを施し、「動けなーいトレーナーちゃん着替えさせて〜」と言うマルゼンスキーになんかもう同性みたいなもんだしいいだろうすまぬマルゼンスキーに風邪を引かせるわけにはいかないのだと自分に言い聞かせ、服を脱がして悪戦苦闘しながらも着替えさせ、寝落ちても大丈夫なよう腰を縄で繋いでバイクの後部座席に乗せ、自宅まで送迎する。暫くして車検も通って車が復活したのでマルゼンスキーを後部座席に乗せ(助手席だとなんか酔うらしい)てトレセン学園に通うようになった。 「トレーナーちゃんこれは?」 「ゲキ重蹄鉄。これ履いてあのミニハードルで腿上げ走り十往復ね」「ひえ〜!」「疲れてくるとフォームがちょっと乱れてるよ。しっかり腕振って脚上げてね」 「トレーナーちゃんこれは?」「ゴールドシップが持ってたバスケットホイールエクスカベーターのレプリカミニタイヤ。これ引こう」「ひえ〜!」 「と、トレーナーちゃん今日のトレーニングは……?」 「今日は休息日だ。ゆっくりしよう」「うぇ〜ん膝枕して〜!」「いいよ。ゆっくりおやすみ」 「ぶっとびよー!」「ひえ〜ムリィ〜!」 「うん。前よりトモが良くなってる。……併走が併走になって無いな……どうだ?うちのマルゼンスキーは」 ウマ娘化した故に耳が良くなり離れていても会話が届く。俺は少し離れた所でこちらを観察していたルドトレに声をかけた。 「有マの時よりパワーが上がってる。アメリカのパワーの要るバ場でもやっていけそうなくらい。それにフォームも無駄が削げ落ちてエネルギーのロスが無くなって、間違いなく強敵だと思ってる。……それでも勝つのはルドルフよ」 「そこは、お互い様だ」 この反応は当然だ。皆が皆、自身の担当が一番強いと思っている。俺もそうだから。 62無敗の終わり前編・大阪杯21/10/14(木) 20 41 29 『さあ秋のGⅠ戦線の始まり、大阪杯です。今回あいにくの雨ですが目玉はなんと言っても"天馬""スーパーカー"そして"皇帝"の三強対決です! 一番人気にはシンボリルドルフ、二番人気はマルゼンスキー、三番人気にアマノガールとなっています。さあゲートインが完了しまして……大阪杯スタートしました!』 マルゼンスキーはいいスタートを切った。先頭争いで競り合おうとしたアマノガールを最初の坂で振り切ってぐんぐんと加速していく。アマノは切り替えて先行策。その後ろにクイーンマクレー、ルドルフの三人が先行勢として団子になっている。本来であればその後ろに差し追い込み集団が付く筈だが、ぐんぐんと間が空いていく。理由は単純だ。 『マルゼンスキー速すぎる! 大逃げの様相だ! かなり縦長の展開!』 重馬場にも関わらず前半タイムが従来より一秒程早い。本来であれば破滅逃げと言える異常ペースだ。これに付き従えばスタミナを持っていかれる。そう気づいたアマノガールとクイーンマクレーが一息入れるように位置を下げ二番手にシンボリルドルフが突き出た。二人に対してルドルフは速度を落とさない。それどころかまだ直線に入る前から加速を開始した。こちらから見てもアマノガールとクイーンマクレーがルドルフに怪訝そうな顔を向けているのがわかる。常識的に考えればこんなペースで走ればマルゼンスキーは垂れるだろう。だがマルゼンスキーと同じく非常識の側にいるシンボリルドルフは気付いているようだ。重馬場で跳ね飛ぶ水飛沫はマルゼンスキーとシンボリルドルフ二人のものが他に比類する事なく大きかった。 マルゼンスキーもシンボリルドルフも、顔が蒼白だ。ウマ娘の、それもその内で最高峰と言っていい二人の強靭な心肺機能を持ってしても酸素供給が追いつかずチアノーゼを起こしている。雨も相まって深海の底に居るようなものだろう。それを想定しマルゼンスキーにはトレーニングで酸素ボンベを増設した。だがそれを使い切ってなおマルゼンスキーは深海の底に引き摺り込まれた。恐ろしいのはこの状況を読んでいたルドトレとこの状況に引き摺り込んだシンボリルドルフだ。 深海の底で酸素を使い果たし呼吸困難で非常に苦しい筈のレース展開。 "それでも笑っていた" 「……がんばれ、マルゼンスキー……!」 俺はマルゼンスキーに貰ったサングラスを壊れないよう、それでも強く握りしめた。 63無敗の終わり前編・大阪杯21/10/14(木) 20 42 02 『おっとシンボリルドルフまで早くも加速! 掛かってしまっているか!?』 背後でルドルフちゃんが迫ってくるの、ビンビンに感じちゃう! でも、勝つのは私よ! 『なんとマルゼンスキー垂れない! これではもう皇帝以外は勝負の蚊帳の外だ! "皇帝"はこの"怪物"を討ち取れるのか!? 坂を登る! まるでエベレストのデスゾーンを全力登頂するかのようだ!』 呼吸が苦しい。でもそれはルドルフちゃんも一緒。ペースを作る私はここまで想定してトレーニングしてきた。本音を言っちゃえばルドルフちゃんでもついて来れないって思ってた。でも……でも! ルドルフちゃんの足音が後ろから離れない! (読んでいた。彼女はここまで全て読んでいた。だが、あまりに定石外れ、奇策縦横すら生ぬるい非常識なペースにわすがに躊躇いがあった。あと100いや50早く仕掛けていればと言うのは……詭弁だ!) ルドルフちゃんの足音が1ミリ近づけば、私は1ミリ引き離す。少しでも、半バ身でも並ばれたら抜かれる。その恐怖と、半バ身まで絶対に詰めさせないって興奮が────楽しい。 『鍔迫り合いを避けるマルゼンスキー! 鍔迫り合いに持ち込みたいシンボリルドルフ! 両者意地のぶつかり合いだ! 差は一バ身! 縮まらない! 縮まらない! 今ゴール! マルゼンスキー先着! 怪物が皇帝を食い破った! 一着はマルゼンスキー! 二着シンボリルドルフ! 三着以下を大差で引き離してのゴールです! 三着はアマノガール! マルゼンスキーとシンボリルドルフ、互いに立ち上がれません! 持てる力を全て出し切りました!』 64無敗の終わり前編・大阪杯21/10/14(木) 20 42 30 全員のゴールを確認して、俺は飛び出した。ルドトレが飛び出したのも同時だ。大歓声の中ウィニングランも出来ないほど消耗したマルゼンスキーと片膝をついてしまっているシンボリルドルフの元にそれぞれ駆け寄った。二人とも少し肌寒い雨とは言え、まるで熱した鉄のように湯気が立っている。 「マルゼンスキー!」 マルゼンスキーは俺を見て微笑んだ。 「……どう? 見てたトレーナーちゃん」 「……ズクッああ、見てたとも! すごかったぞ」 マルゼンスキーの微笑みに泣きそうになるが、それどころではないと堪えて俺がカバンから酸素缶を取り出して吸わせようとするとそれを手で制された。 「ふふ、トレーナーちゃん見たらナイナイだったのが湧いてきちゃった。みんなの声に応えないとね!」 マルゼンスキーが俺の手を掴んで立ち上がる。 「イェーイ! みんな応援ありがとう! ピース!」 再び歓声が巻き起こる。そこへルドルフがルドトレの肩を借りてやってきた。ルドトレも酸素缶を持っている。 65無敗の終わり前編・大阪杯21/10/14(木) 20 43 13 「マルゼンスキー」 「ルドルフちゃん」 「"今回は"負けたよ。私が背中を見ながらゴール板を駆け抜けるとは思っていなかった。……臥薪嘗胆、次の天皇賞春で捲土重来させてもらうとしよう」 「っ」 いつものシンボリルドルフと違う。その姿は威厳ある皇帝でなく獰猛な飢えた獅子のそれだった。気圧されそうになる俺をマルゼンスキーは片腕で抱きしめてくる。 「次回も勝つのは私よ。"シンボリルドルフ"。天皇賞春、楽しみにしてるわ」 「ああ、また走ろう」 二人が強く握手を交わす。会場は再びの大歓声に包まれた。 マルゼンスキーを担いで控室まで戻る。こんな時はウマ娘化した事に感謝した。苦も危険もなく運べる。その最中にマルゼンスキーが写真を撮って欲しいと言うので自撮りして、クールダウンとストレッチを終え、シャワーを浴びて雨だく汗だく泥だらけの勝負服から一旦ジャージに着替えた。ちなみに俺も雨の中に出てマルゼンスキーを抱えてびしょびしょになってしまったので着替えた。 「ふぅ〜! 今回も楽しかった!」 「それは良かった」 「ねえトレーナーちゃん」 「ん?」 「次も私、勝つからね」 「……ああ! マルゼンスキーなら勝てるよ!」 なんだかマルゼンスキーが少し無理をしているように感じる。もしかして足に何かあったのか? 「マルゼンスキー、何か無理してないか? 足に違和感とか……」 「え? そういうのは無いわよ。ただ勝ちたいな〜ってお姉さん思ったから、まずはトレーナーちゃんに表明演説してみたの!」 「本当に足は大丈夫なのか?」 「足はトレーナーちゃんのおかげでバッチグーよ! でも疲れちゃったからトレーナーちゃんに膝枕してもらいたいな〜」 甘えるような仕草に思わず笑みがこぼれてしまう。 「いいよ。この膝はマルゼンスキーの物だからな、好きなだけ使ってくれ」 「やったぁ! それじゃトレーナーちゃんのお膝もーらい!」 控室の座敷に移動して座布団を挟んで痺れないようにしてからマルゼンスキーの膝枕をする。本当に疲れていたのか、マルゼンスキーはすぐにスースーと寝息を立て始めた。俺も疲れてウトウトとしてき──── 「ちょっとお!!? もうすぐウィニングライブですよ何してるんですか!?」 「わふぅ!?」 「しまった!!」 いつの間にか寝落ちして、URAの職員に叩き起こされることとなった。 おわり ≫71ネイトレ発案者兼フジトレの人21/10/14(木) 20 47 45 「ねえネイトレちゃんネイトレちゃん、フジから聞いたよ?ネイチャちゃんと関係が進展したんだって?」 「どこから聞きつけたんですかねフジトレさん、ってうわあ見たことないくらい目がキラキラしてるぅ!!」 「話によるとお姫様抱っこして帰ってきたとか、プロポーズもされちゃったとか!きゃーっ!どこまで噂でどこまでホントかおじさん気になっちゃう!」 「あのどこから聞きつけたんです!?怖いんですが!!??」 「いやもうトレセン中の噂だって!いやーあの引っ込み思案のネイトレちゃんが一気にここまで進展するなんて、ねえ!」 「あの、フジトレさんテンション高くないですか!!なんか未だかつてないくらい高くないですか!?」 「そりゃもうずっともだもだしてるの分かってたんだから!ずーっとヤキモキしてたんだから!!なんなら僕は君がウマ娘になる前から!!」 「そ、そんな前から察されててたんですか私!?」 「うん!!!だから、ヤキモキしてた皆に!ご馳走を!頂戴!!」 「あ、あの、誰かタスケテーッ!!!」 以上、勝手に 44の別サイドでしたー ≫83二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 20 54 25 「ほら貸してやるよバケットホイールエクスカベーターのレプリカミニタイヤ」 「ありがとう。ありがたくバスケットホイールエクスカベーターのレプリカミニタイヤ借りるよ」 「いやバケットホイールだよ」 「ごめん間違えた。バケットホイールだな」 「そうだもう一回言ってみろ」 「バスケットホイールエクスカーベーター」 「もうそれでいいぜ!!アタシは今からそれを真実にするためアメリカに飛ぶからよ!!」 ≫93ガンギマリ頭スズトレ21/10/14(木) 20 56 33 ────あ、オレ死ぬわ。 スズトレについに捕まった時、オレことドベトレが一番最初に思ったことだった。 みんなの力を借りて、新しい体になってから1週間。オレはずっとスズトレを避け続けていた。 スズトレにはオレの尻尾で指輪を作ってもらったり、その指輪をドーベルに渡してもらったり、一連の流れの中でもかなり世話になった相手だ。 だから真っ先に礼を言うつもりだった。それで会いに行ったのだが… 明らかにキレてた。声の圧がいつもの十倍はあるし、いつも出してる落ち着いた、接しやすい雰囲気が完全に身を潜めていた。 ヤベェ。その本能に従って、オレはスズトレからずっと逃げ続けた。 そして今日、ネイトレさんとのコンビネーションによってその逃亡劇には幕が降りた。 「はい、到着。私ちょっと出すものあるからクッションにでも座って待ってて。」 「ア、ハイ。」 「…大丈夫?」 スズトレが心配そうにこちらを伺う。頑張れオレ。平常心だ、平常心。 「いや、あんまし寮の部屋に邪魔する事無かったからな。少し緊張しちまった。」 「あーそっか…飲み物いる?麦茶あるけど。」 「頼むわ。」 それを聞いてスズトレは冷蔵庫から麦茶を出し、コップに注いでからクローゼットを探し始める。よほど厳重にしまっているようだった。 正直怖ぇ。幾分かマシになったが滲み出てるお怒りオーラは未だ健在。そんな中出される物となるとまるで想像がつきやしない。あ、麦茶うめぇ。 「あった!!っと。」 そんな事を思ってたらスズトレがクローゼットから出てくる。その手にはホールケーキが入ってそうなサイズの黒い箱。 「…デカくねぇか?」 「まあ簡易とはいえ中身が中身だし。」 そして、箱から中身が出てくる。 「──コイツは、まさか。」 「うん、ドベトレのお墓代わりにしてたもの。」 94ガンギマリ頭スズトレ21/10/14(木) 20 56 57 まさかの展開に、言葉を失う。オレの墓代わりってのも驚きだがそうじゃねえ。 完全に記憶から消されてたはずのオレの墓を作ってた、っつーことは… 「…覚えてたのか?オレの事。」 「他より早く思い出した、が正しいよ。」 その言葉を始まりとして、スズトレは過去を語り出した。 「…何これ?」 大規模な掃除中、クローゼットの奥から現れた箱を見て呟く。 あまりにキレイすぎる。少なくとも私はこんな高そうなものは買わないはずだ。箱に貼られた紙が問題だった。 「"メジロドーベル宛"…」 なぜか、スズカの友人のドーベルが指されていた。確かに彼女ともスズカ経由でかなり話すけど、彼女宛のを代わりに受け取るほどではない。仮にもらったとしても、すぐに渡すはずだ。 だけど、そうはなってない。…明らかに不自然、捨てるべき。…だけど。 「スズカのトレーナーさん!お久しぶりです! でも、どうしたんですかいきなり?」 「そのことなんだけど…」 私は、ドーベルに渡す選択をした。そうしないと後悔する、そんな気がしたから。 そこからはもう、あっという間だった。 尻尾の毛で作られた指輪、"兄"という者からの手紙、それを読んで涙を流すドーベル。 消えた者の存在を悟るには、十分すぎるほどだった。 「──それが起点で、私もドーベルほどじゃないけどいくつか記憶が戻った。けど人を存在ごと抹消するなんて超常現象、誰かにどうにかできるものじゃない。 だから他の人には言わずに、アクセに使わず残ってた毛をこれに入れて墓がわりにしてたの。ドーベルの写真とか結構お供え物にあげてたんだよ?」 95ガンギマリ頭スズトレ21/10/14(木) 20 57 23 「マジかよ…でも言われてみりゃあ兄貴主体でノートに集められた情報、兄貴除けばスズトレの筆跡が1番多かったな…」 ドベトレが納得したように言う。そりゃそうだ、みんなが0+1なら私は1+1だったんだから。…いやまあ、それでもマクトレには負けたんだけど。 「そうなら安心したぜ…てっきりめちゃくちゃ怒られるもんだと…」 「あ、怒ってはいるからね?????」 「エッ。」 ドベトレの顔が凍りつく。あれだけビビってたのに、なぜ怒ってないと考え直しちゃうのか。 「いなくなった事はいい。アレはドベトレ悪くないし。だ、け、ど、さぁ…なんっで指輪直接渡さないかなぁ。 実際私もかなりの間気づかなかったし危うく捨てかけたし、ちゃんと自分の手で渡しなさいよ。」 「仕方ねえだろ!?オレ作ってもらった次の日には消えたんだぞ!?」 「でもドベトレならドーベルの部屋の押し入れとかに入れとくことも出来たよね??」 「いや、それじゃドーベルが怖がるだろ!?」 「でも確実に指輪は渡ってたと思うよ。だから私的には助かったけど許さない。もっとドーベルにとっての自分の存在を信じなさいよ…」 ため息混じりに言い切る。 それを受けてドベトレは少し黙り込む。そして… 「…すまねえ、けどありがとよ。ドーベルに届けてくれて。」 そう、言葉を発す。 …全く、別にお礼は求めてないのに。 「どうもいたしまして。」 仕方ないなぁと思いながら、笑顔で答えるのだった。 97ガンギマリ頭スズトレ21/10/14(木) 20 57 45 「さて、じゃあ本題に入ろっか。」 顔を元に戻したスズトレがケロッと言う。 「…え、まだあんの?」 「うん、あるよ?ということでドーベル、カモン。」 「分かりましたスズトレさん!」 「エッ。」 スズトレの言葉と共に扉からドーベルが入ってくる。なぜ?という疑問と共に猛烈に嫌な予感。 「ドーベルに尻尾アクセの話したらドベトレに送る分も作りたいって言ってね?やり方は前に見せたから今回はドベトレ本人にやらせようかなーって。」 「…自分に贈られるモノを自分で作らされるって拷問だと思うんだが。」 「でも兄さん2回もいなくなったよね?」 「ぐっ!?」 どぎつい一撃が直撃する。やめてくれドーベル、それは言い逃れできない。 しかもその隙を逃さずスズトレがオレの腕をガッチリと掴む。 「…拒否権は?」 「ない。覚悟、決めようね。」 その後、ご満悦のドーベルとボロボロのオレが学園内で目にされたのは言うまでもないだろう。 ≫109二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 21 06 14 8話 あれから数日が経とうとしていた。 「足りない…足りない…」 調べ尽くした資料。 最大まで効率化したトレーニング。 トレーナー達に教えてもらった大切な事。 それらが集まっていても、俺には何か、 決定的な何かが足りていなかった。 「……クソッ! いくら走っても、いくら調べても、 足りない何かが全くわからない!」 「一体…一体何が足りないって言うんだよ!」 「どうすればいい…このままじゃマーチが…」 「俺は…『私は』…また…」 頭の中ぐちゃぐちゃになる。 わからない、わからない。 不安と絶望でおかしくなる。 「駄目だ…一回頭を冷やしてこよう…」 そう言って洗面台の前に行き、鏡をみた。 そこには、 とあるウマ娘に似た自分の顔が映っていた。 「…もしかしたら」 そう言って俺は家を飛び出した。 110二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 21 06 47 「いきなりで申し訳ない… どうしても話したいことがあったんだ。」 「あぁ…問題はない。 ちょうど時間が空いていたし、 オグリのライバル、 フジマサマーチのトレーナーからの話となれば、断る訳にはいかないだろ?」 俺は最後の望みをかけて、 マーチのライバルであり、 マーチがレースで初めて負けた相手、 『芦毛の怪物』オグリキャップ。 そのトレーナー、 オグトレさんに相談を持ちかけた。 「それで、相談の内容を教えて貰ってもいいか?」 これまでの経緯を話した。 111二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 21 07 36 「それで…マーチが…カサマツに帰るって…」 「!…」 「でも、今の俺じゃ止められない… 調べた事も、試した事も、 せっかく教えて貰った事も、 全部無意味にしてしまう…」 「一体俺はどうすればいいんだ…? そもそも、最初から 中央なんて目指さなければ、 こんな事には…」 「それ以上は、言ってはいけない。」 「…え?」 「お前さんが紡いできたものを、 築き上げできたものを、 お前さんが否定しては駄目だろう。」 「!…でも!でも俺はッ!」 「一旦落ち着け、少し待っていろ。 暖かいコーヒーでも淹れてくる。」 渡されたコーヒーを一口飲んでみる。 ぐちゃぐちゃになってた頭の中が、 少しずつ、落ち着いて行くのを感じる。 112二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 21 07 59 「大丈夫か?」 「すまない…取り乱していた。」 「しょうがないさ、 次のレースで勝てないと地方に戻される危機的状況で、 いきなりウマ娘になってしまった。 さらに担当はカサマツに帰ろうとしている。 普通こんな多くの事が一遍に起きたら、 誰だってそうなるさ。」 「でもわからないのは本当なんだ… もう…全部が手詰まりで…俺は…」 「…なら、何もしなくてもいいんじゃないか?」 「…は?な、何言って…」 「だって、お前さんはこれまで、 何もやってこなかったか?」 「そんなはず無い!やれる事は全てやった!」 「それじゃあ、お前さんはこれまで、 全力でやってこなかったのか?」 「いつだって全力だった! あの娘達に…勝って欲しかったから!」 「最後に、 お前さんはここまで、フジマサマーチの事を 何も考えていなかったか?」 「…そんな訳…無いだろ。 マーチは…こんな俺のところに残ってくれた。 …大切な担当だ。」 113二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 21 08 23 「わかっているじゃないか。 お前さんは出来る事を全てやった。 確かに失敗した事もあったが、 それでもお前さんは全力だった。 そして、今それを大切な担当の為にしている。 それで十分じゃないか?」 「で、でも俺は…怖いんだ… またあの背中を見るのが… またあの言葉を聞くのが…俺は…」 「…お前さんはマーチが負けると… そう思っているのか?」 「ッ!そんな事思うはずが「なら信じてやれ!」 「!」 「やれる事は全てやった。 なら、あとは自分を信じて、担当を信じろ。 どちらも信じれないトレーナーがどこに居る?」 114二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 21 08 53 「…そうか…そうだよな。」 負けて、負けて、負けて わからなくなっていた。 そうだ、いつだって全力だった。 いつだって出来る事は全てやった。 …いつだって信じて進んできた。 「…ふふ、いい目になった。」 「え?」 「もう大丈夫、お前さん達ならきっと勝てる。」 「だから信じてやれ。 私達に出来る事はそれぐらいだが、 彼女達に一番必要なのはそれだ。 トレーナーぐらい、 なにも変わらずに担当の勝ちを信じてやれ。」 「…わかった! 相談に乗ってくれてありがとう!オグトレさん!」 そして俺は、マーチを探しに行った。 ≫126二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 21 18 13 ダイタクヘリオスのサブトレーナーは、さる大物トレーナー最後の弟子だ。 そう認められるだけあって端々から非凡なる才能の片鱗を見せるものの、少なくとも…… 「ど、どれを着れば……っ」 「ヘリオスー、そっちは任せるぞーい」 「おけおけぴ! とりまトレぴっぴおいでおいでおいでー!」 ……ファッションセンスに関してはド素人であった。 此処は都内のパーティー会場。 「これも社会勉強」と師によって各界の重鎮の中に放り込まれかけた若造達は、兄弟子たるテイエムオペラオー担当トレーナーの手引きで大量のドレスや着物に囲まれていた。 「先生。折角ですからジバンシィなど如何ですか」 「麗しのサブリナじゃあるまいに……黒留袖じゃ、黒留袖」 「畏まりました。 ……ちなみに振袖も御用意しておりましたが」 「未婚の示しなぞ、死んだ婆さんに殺されるわ!」 末の弟子から見た兄弟子オペトレは、随分と師匠に気安く接する人物であった。 あのいつも優しい師匠をからかい倒し、ぷりぷり怒らせては、わざとらしく笑って正解を取り出すのである。 そんな振る舞いながら師からの信頼は篤く、何かあれば常に彼女が呼び出される。ヘリサブから見れば不思議な人物であった。 127二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 21 19 00 「お二人共、決まったかな?」 「い、いえ、まだ……っ!」 「オペトレっぴはどする? デコる?」 「気持ちは嬉しいけれど、私はこれが一張羅なのでね。末弟子をめいっぱいデコっておくれ」 「おけぴ!」 ばさりと燕尾服を靡かせ、「ゆっくり決めていいからね」とオペトレは師の着付け手伝いに戻る。 卒のない振る舞いにヘリサブは思わず見惚れるが、ちょいちょいとヘリオスに小突かれて、自分も選ばねばならないことに気づいた。 「とりま、これとか着てみ?」 「えっ、ええと……」 手渡されたのはミリタリーパンクのツーピースワンピース。 一見すると軍服のようだが、スカートは膝上丈で、少し腰を捩れば臍が顕になる逸品だ。 ファッションに無頓着なヘリサブでも分かる。これはとてもではないが、品格ある宴席に着ていくものではない。 「へ、ヘリオス。これは流石に……」 「んー……だめぽ?」 ヘリオスがテン下げしたところで、ヘリサブはハッと顔を上げた。 自分は何であるか。それは勿論、ダイタクヘリオスのサブトレーナーである。 そのサブトレーナーが担当ウマ娘が選んでくれた服装を、「不適切だから断っていい」などと師は教えただろうか? 128二次元好きの匿名さん21/10/14(木) 21 19 24 「……ごめんなさいっ、ヘリオス」 「おけおけぴ! ちゃんとしたドレスでガチヨロおけまるだし……」 「いえっ。貴方の選んだとっておきでいいですっ」 「……!」 ヘリオスのサブトレーナーは断固たる想いで胸中の問に答える。 教える訳がない。担当ウマ娘の好意を誇ってこそトレーナーだ。 なら、ダイタクヘリオスの選んだコーデこそ、自分が胸を張って着られる衣服に違いないのである! 「貴方のとっておきで、私をテンアゲにしてくださいっ。おねがいしますっ!」 「……いぇあ!」 ダイタクヘリオスもその意を汲んで、心から嬉しそうに笑う。 取り出したるはメイク用品を詰めたボックス。とっておきでサイコーのメイクデビューのお伴である。 「テンアゲでサイコーのメイクでバリ上げFoo! トレぴっぴのメイクデビューさせてくれんの、あざまる水産よいちょまるじゃん!」 「よ、よろしくおねがいします……っ!」 鏡台の前に座り、ふたりのウマ娘は微笑み合う。 心老いたるウマ娘達は、仲睦まじいふたりを微笑ましげに見守るのであった。 うまぴょいうまぴょい ページトップ part○○~○○はこちら ページトップ
https://w.atwiki.jp/gaustdiver/pages/84.html
#ref error :画像URLまたは、画像ファイル名を指定してください。 歴史DR期 SH期 SG期 GH期 GS期 現在 スペック長所 短所 感覚使い易さ 応用し易さ 立ち回り方 補完法 オススメセットタマフーダ キョウカフーダ 性格補正 味方ガウスト 意見、感想、議論その他 歴史 初登場はDR。 DR期 ウインザークがランク5に上がる時、 ランク5に上がる代わりにこいつに派生する。 その時「ケイタイガヘンカシタ!」とメッセージが出る。 …しかし解禁当時ランク6はどう足掻いてもランク7に上がれなかった為、 SH発売迄はキングガウルスに対戦の需要を吸い尽くされ続ける事となった。 SH期 タンサクLv.3に到達したメガホエールでタンサクすると稀に掛かる。 地味に目玉となるケンジャッカー(今作には未登場)よりも強い。 No. コマンド名 効果 1 ショット 網状の電気を相手に被せる。2マスなので恩恵有り。ライザークはどう足掻いても使う事が出来ない。 2 カウンタ 敵が撃った最初のショットのみ跳ね返す。殆どのダイバーが650〜680を投げてくるので需要は高い。ライザークの第2コマンドもこれ。 3 レンダ 3回タックルする。だが2マスなので反動を考えるとショットでもいい気がする…ライザークは第1コマンドに設定されている。 …え?普通に強くね? しかもこれでリンクシステム対応。 …え?普通にヤバくね? なので対戦での需要も高め。 …え?普通に(ry SG期 正式な解禁は此処から。 ちなみにSGからズカンイレカエで出したをDRに輸送するとランク5の個体が現れる。 …がエサヤリをするとすぐランク6に。 GH期 欠席。ライザーク?無事でしたよ。 …出たら普通にFヘンカとか貰ってそうで怖かったが出ないと知ると無性に寂しくなる。何故なのか。 GS期 復活はしなかったが仮登場の様な立ち位置に居る。 どんな感じかというと… ライザークに皮を奪われた。 ドットはこいつなのだがデータ上ではライザークという扱い。 …凄く…まぎらわしいです。 現在 ギルガドランと共に本作のパッケージの表紙を飾る。 サカナ系ガウストの中で最も扱い易いと定評があり、次点はダイバーによって意見が分かれるがイカリブチカマス辺りが候補生。 でも本編の相棒はエクスカイザークへのクラスチェンジが待っているため中継ぎ的な位置。 トレードに頼らない場合はクリア後に再び会える。 ライザークと違いバトル恐怖症なのかホカク時点の初期ハート段階が3。フィッシュなのにチキンとはこれいかに。 その代わり成長スピードはかなり早い。素質有り過ぎ 入手時点で既にLv.29or30なのであまり実感を感じ難いが限界突破を繰り返してからレベル上げに努めるとライザークよりも少ないEXPでLv.35に到達する。 その数値。なんと72144。少ない…少な過ぎる… まあ出番がクリア後(それも夕方に特定の場所でサーチ)とかなり遅いので成長速度激速 高パラメータは釣り合ってない様に見えて実は釣り合っていたり。 ギルガドラン同様壁紙が用意されているが、 その解禁条件は特殊。 体験ゲームでニャントム、ソウルイクエイダー、ライザーク、ダルクドランをキャプチャしなければ開く事が出来ない。 スペック 能力項 ランク、効果説明 備考 最大HP ★★★★☆ 格闘攻撃 ★★★★☆ 弾攻撃 ★★★★★ 掴み攻撃 ★★★★☆ 格闘防御 ★★★★☆ 弾防御 ★★★★☆ 移動速度 ★★★★★ 属性 電気 基本弾 プラズマ 稀にカナシバリを発症させる事がある バトルタイプ サカナ チェンジコスト 45 必殺コスト 54 必殺系統 中距離 必殺属性 電気 サーチスキル なし バトルスキル あいてへせんせいこうげき! 相手にダメージ。この効果でトドメを刺す事は出来ない。 好物 山梨のほうとう(麺類、ふつう) 特産品 主な固有名称 ぎょくき じょうかずしざべ しゃくじろうかいばら ざききかいばら ざきとかいきた しゃくきちおうはし がぶぞうかいざき じょうひさかざした がぶひさえんむら じょずのすけ 入手条件 シナリオクリアー後16時5分〜20時5分の間にサーチレベル14以上でサーチ シナリオクリアする迄はこいつの入ったガウスホールを探知出来ない 長所 ダッシュ攻撃を連続で出せる(3回) サカナにしては格闘防御が高め 基本弾がプラズマの為、カナシバリで妨害可能 その威力も上から数えた方が早いくらい高いので当てさえすればそれなりに。 バトルスキルが先制攻撃の為、多少ではあるが相手の硬さを気にせずに済む 短所 必殺が決まり難い 鉄が弱点の為、ぎょらいが致命傷になり易い 感覚 使い易さ ★★★★★(正直気に障る要素は殆ど無い) 必殺が使い難い事を除けば特に気に障る様な要素は無い。 有って精々ぎょらいが怖いぐらい。 応用し易さ ★★★★★(見た目の割に器用) 秋茜と同時選出して先制ループするなり、 殴り合い要員でイケースがある程度固まってしまった際の油代わりなり、 色々な場面で出番が来易い。 勿論軸にするのも戦略の一つ。 若干方向が違う気がするがギルガドランや鼻並に用途バレし難い方。 立ち回り方 (只今研究中…) 補完法 弱点は鉄。 幾ら器用でも玄米は相手にしない方がいい。 荒れ狂う飛炎枠が空いているなら出来る限り付けたい。 オススメセット タマフーダ フーダ名 理由 いてつく猛吹雪 多少だが必殺に繋げ易くなる。霊力稼ぎにも使える。 悪へいざなう一振り チェンジコストが5軽くなるので先制ループがし易くなる。さりげなくブリットナースに釘を打てる。 荒れ狂う飛炎 補完。 炎喰らう不死鳥 対近距離にどうぞ。此方の方が必殺に繋がり易…い…? キョウカフーダ フーダ名 理由 天命受けし聖鮫 基本弾を数値的にも補正的にも強化出来る。必殺コストが重くなってしまうが最悪1回も必殺を放つ事なく出番が終わる事が有る事を考えるとあまり気にする必要は無いかもしれない。 夏の夜のユメ 基本弾を強化出来る。さりげなく格闘攻撃も伸ばせる…のだが何故かしんちょう、れいせい、おんこう限定。 りりしきまゆ毛の雷鳥 基本弾の威力はあまり上がらないがカナシバリ発症率を上げる事が出来る。性格を指定されない分機能し易い。自動回復は無いよりマシ程度のおまけだが本編ではそれなりに使えるか。 海賊のいかり こいつを主力にするなら候補。たんき、ごうたん、きょうぼう限定。 コロコロのあつき魂 基本弾を数値的にも補正的にも強化出来る。チェンジコストも10軽くなるので先制ループも多少やり易くなる。 性格補正 性格 理由 しんちょう ★★★★★耐久上がる撃ち合いに強く出れるで良い事尽くめ。出来ればこの性格の個体を探したい。 れいせい ★★★★☆慣れない内はこの性格でも許される…かもしれない。移動速度が伸び易い。 味方ガウスト ガウスト名 理由 トンボマー ★★★★★補完になる上にチェンジコスト次第で先制ループが可能。 ギルガドラン ★★★★☆チェンジコストがやや重いが確実に先制ループを繰り返すなら秋茜よりこいつを選んだ方がいいかもしれない。 イクサリュウ ★★★★☆補完を除くと大雑把な用途はギルガとほぼ一緒。 ビッグウェーブ ★★★☆☆先制水要員だがチェンジコストが性能とあまり釣り合っていない。 意見、感想、議論その他 半値 内容 すべてのコメントを見る